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第85話
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真っ暗な森の中から姿を現したのは、女だった。
メリハリのあるボディを惜しげもなく晒した、若い女である。
女は乳首と股間だけを隠すひどく露出度の高い衣装を身に着けていて、まるで娼婦のようだ。
ただ、その女がただの人間の娼婦でないことは、訊いて確かめるまでもなく、明らかだった。
圧が違い過ぎる。
その小ぶりの顏も、スタイル抜群の躰も、どちらも確かに恐ろしいほど美しい。
でも、おそらくその美しさは、人間のものじゃないー。
「おまえたち、アルファとオメガのつがいだね。まさか、こんなチンケな村で、おまえらのような、希少動物と出会えるなんて」
血を吸ったばかりのような真っ赤な唇をゆがめて、女がうっすらと口角を吊り上げた。
「誰だ、おまえは」
僕をかばって、ブライトが一歩前に出る。
その右手には、銀色に輝くレイピアが握られている。
「あたしはアラクネ、魔王様のしもべのひとりさ。魔王様が降臨なさる前に、地上を綺麗に掃除しておくように言われててね。醜いものを根絶やしにするために、ちょっと前に起こされてさ、魔界から出て来たところなんだよ」
メリハリのあるボディを惜しげもなく晒した、若い女である。
女は乳首と股間だけを隠すひどく露出度の高い衣装を身に着けていて、まるで娼婦のようだ。
ただ、その女がただの人間の娼婦でないことは、訊いて確かめるまでもなく、明らかだった。
圧が違い過ぎる。
その小ぶりの顏も、スタイル抜群の躰も、どちらも確かに恐ろしいほど美しい。
でも、おそらくその美しさは、人間のものじゃないー。
「おまえたち、アルファとオメガのつがいだね。まさか、こんなチンケな村で、おまえらのような、希少動物と出会えるなんて」
血を吸ったばかりのような真っ赤な唇をゆがめて、女がうっすらと口角を吊り上げた。
「誰だ、おまえは」
僕をかばって、ブライトが一歩前に出る。
その右手には、銀色に輝くレイピアが握られている。
「あたしはアラクネ、魔王様のしもべのひとりさ。魔王様が降臨なさる前に、地上を綺麗に掃除しておくように言われててね。醜いものを根絶やしにするために、ちょっと前に起こされてさ、魔界から出て来たところなんだよ」
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