落ちこぼれオメガとエリートアルファの魔王討伐

第67話

　僕の忌まわしい黒歴史。

　村人たちの性欲処理のためのおもちゃだったという、その昏すぎる過去。

　もうおしまいだった。

　せっかく、アルファのつがいを見つけたのにー。

　こんなにまで躰と躰が適合する相手は、いないのに…。

「軽蔑、する？」

　目を涙でいっぱいにして、僕は訊いた。

　広げた股の向こうにある、ブライトの美しい顏。

　その顔を遮るように、悲しいほど硬く大きくなった、僕のペニスがそびえ立っている。

「処女じゃないオメガなんて、死んだほうが、いい？」

　今ごろになってペニスは完全勃起し、乳首も樫の実のように硬くなっている。

　遅すぎた。

　もう、なにもかも。

　僕はこんなにまで欲情させられたまま、ブライトに捨てられるに違いない…。

「おまえの肛門、どうりで発達しすぎてると思ったよ。なんせ、俺が入れる前から、もう女陰化していたからな」

　女陰化…。

　そう。

　成熟したオメガは、妊娠することすらできるのだ。

　そして僕は、たび重なる凌辱のおかげで、ふつうより早く第二次性徴期を迎え、精通も初潮も10歳の夏には済ませてしまっていた。

「…」

　僕はしんねりと顔を背けた。

　もうだめだ。

　こんな娼年、皇族のエリートアルファであるブライトが、拾ってくれるはずがないー。