落ちこぼれオメガとエリートアルファの魔王討伐

第44話

「おおっ！　合点だ！」

　熊男が歓喜の雄たけびを上げると―。

　その後は、一気だった。

「オラオラオラオラアッ！」

　右手に潰れたペニス、左手に睾丸を握って、熊男が腕を左右に広げにかかった。

　べりべりべりっ！

　何かが引き千切れるような、嫌な音が響いた。

「ギャアアアアッ」

　逆さ吊りになったブライトが、大きく身体を波打たせ、二度三度と飛び跳ねた。

　180度開脚した股間から二方向へ噴き出る鮮血が、音を立てて左右の壁に降り注ぐ。

　どさっ。

　壊れた人形のように、床に落下する全裸の美青年。

　しどけなく開いた股間は血で真っ赤に染まっている。

　あまりの惨状に、僕は無意識に目をしばたたいていた。

　まさかー。

　まさか、ここまでむごいことをするなんて…。

　けれど。

　正直に言うと、ブライトの身に起こった惨劇に胸を痛めるよりも、性欲の高まりのほうが、強かった。

　ペニスが疼いてならない。

　爆発寸前にまで、エキスが溜まっているのがわかった。

　一刻も早く、射精、したい。

　熱いミルクを、いっぱい出したくて、たまらない。

　そんな僕の葛藤も知らず、
　
「さあ、こいつをどうするべかな」

　引き千切ったばかりのブライトのペニスと睾丸を得意げに両手に掲げ、ニタニタ笑いながら、熊男が言った。