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第42話

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「どうなったかなあ」

 熊男がグフグフ下品に嗤いながら、右足をどけた。

「ひ、ひどい…」

 僕は思わず、両手で目を覆いたくなった。

 そこにあるのは、無残にも潰されたブライトのペニスだった。

 亀頭は無事だが、真ん中あたりを踏み潰され、皮が弾けて中の海綿体が外に飛び出てしまっている。

 それはまるで、馬車の車輪に轢かれた大ミミズのようだった。

 あんなに僕に快感を与えてくれたアルファの生殖器官が、今は血まみれのひき肉と化してしまっている・・・。

「アア…」

 うつろな目を天井に向け、ブライトが呻く。

 胸の穴と股間からはどくどくと鮮血が溢れ、床に赤黒い水たまりをつくっている。

「まだ足りないのかよォ。なら、これでどうだ」

 熊男が躰をかがめ、自分が踏みつぶしたブライトのペニスを右手で握った。

 同時に左手で無事な睾丸を握りしめると、そのふたつを支点にして、その無抵抗な裸体を逆さまに吊り上げる。

「あふ・・・」

 ブライトの口から、だらりと舌が垂れ下がる。

 両手を力なく伸ばし、顏をのけぞらせて、まっすぐ、垂れ下がる。

 ただ両脚だけが、次第に自重で左右に開いていき、しまいに床と平行になった。

 180度開脚した両脚のその中央で、天井に向かってゴム紐のように長くのびた、あわれな睾丸の袋。

 そして、つぶれた腸詰のように中身をはみ出させ、血を噴き出すひしゃげたペニス。

 ペニスと睾丸を握られ、それだけを取っ手代わりに、逆さ吊りにされた血だらけの全裸の美青年。

 ぞくぞくするような眺めだった。

 僕は瞠目した。

 すごい・・・。

 いいよ、ブライト…。

 とっても、いいー。

 獣人たちに、死の寸前まで蹂躙されるアルファって、なんてエロイんだろう…。

 僕はほとんど射精寸前の状態で、精子が漏れないよう、懸命にペニスの根元を握りしめていた。
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