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第17話

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「そ、そんな…」

 僕は本当に泣きそうになった。
 
 ついさっきまでの幸せな気分に、いっぺんに水を差された気分だった。

 オメガとして、失格…?

 つがいどころか、セフレにすら、してもらえない?

 確かに僕は、この村でただひとりのオメガである。

 だから、ほかのオメガがどういう存在なのか、ケビンおじさんやマサラおばさん、あるいはほかの村人からしか、聞いたことがない。

 特に、寝屋での実地プレイに関しては、ほとんど不能に近い、ケビンおじさんだけが僕の調教師だったのだ。

「わかったよ…続けて」

 ややあって、ため息とともに、僕はつぶやいた。

 フィスト・ファックなるものが、どんなプレイなのか、わからない。

 でも、ここでブライトに捨てられるのは、耐えられなかった。

 僕は、なんとしてでも、彼の冒険につき従い、最後には無事王都に行って、本当のつがいになるのだ。

 できるかどうかわからないけど、できるなら巣づくりして、彼の子を…。

 そこまで夢想した時だった。

「いい覚悟だ。ならば、いくぞ」

 ブライトが、いったん右手を引き出し、親指もそろえた完全な手刀を作った。

「自分で肛門を開くんだ。俺のほうに穴を向けて。いいな」

「う、うん…」

 僕は両手でお尻の丸い肉をつかみ、ぐいと左右に引っ張った。

 今まで取ったことのない、屈辱的な姿勢だった。

 鏡台の鏡に映るのは、ベッドにうつ伏せになり、お尻を突き出して自ら肛門を開く卑猥な全裸の少年ー。

 それが、僕。

「これだけ濡れていれば、大丈夫だろう」

 自分に言い聞かせるようにそうひとりごちると、

 グサッ。

 手刀を作ったブライトの右手が、僕の拡張された肛門に湿った音を立ててめり込んだ。

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