上 下
7 / 475

第6話

しおりを挟む
 愛液と同じ…。

 僕はますます赤くなった。

 その通りなのだ。

 僕らオメガは、行為を円滑にするために、直腸の奥、前立腺との境であるいわゆる”Gスポット”から、ある特殊な体液を分泌する。

 そのことを僕に教えたベータの主人は今はもうこの世にいないけど、

「これがいつか役に立つ時が来る」

 女将さんの目を盗んで深夜ヤギ小屋の片隅で僕を抱きながら、彼は言ったものだった。

 もしかして、その”いつか”ってのが、今なのか?

 が、それ以上、物思いにふける余地は、僕にはなかった。

「く、これが、オメガの性フェロモンの影響か」

 僕の肛門から抜いた指をぺろりと舐め、彼が言った。

「傷が治ったばかりだというのに、なんだか私まで、催してきてしまったようだ」

 上級国民の衣装が宙に舞い、その下から筋肉の鎧に覆われた逞しい裸身が現れた。

「私はミネルヴァ皇国第三皇子ブライトだ。きさま、名を何という?」

「レ、レム、で、す…。ソンミ村の下僕、レム、といいます」

 うわの空で僕は答えた。

 僕の眼は、彼の股間に釘づけだ。

 綺麗に剃毛されたつるすべの下腹部から、これまで見たこともないほど美しい肉棒がそそり立っている。

 オイルで磨いたようなそのピンクの”塔”は、頂点で膨れ上がった大きな亀頭では赤に近い色を呈している。

 アルファが、興奮している…?

 しかも、僕の、オナニーを見て…。

 それは、ぞくぞくするような認識だった。

「なるほど、レムか。時に、おまえ、処女か?」

 僕の股を開き、肛門を剥き出しにして、ブライトが穴を覗き込む。

 恥ずかしさのあまり、ぐぐっとペニスが立ち上がった。

 包皮が剥けて、ぬれた亀頭がぬるりと顔を出す。

「わ、わかりません…」

 正直に、僕は、答えた。

 育ての親のヤギ使いの主人に、何度も指で逝かされたのは、確かだった。

 お互い、口で逝かせ合ったことも、否定はしない。

 でも、ナマでの挿入は、この歳、すなわち、18歳になるまで、まだだったのだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

処理中です...