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ヤミイ

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「チンポの先で、インターホンを…?」
 常識外れの要求に、僕はおうむ返しにつぶやいた。
 そんな話、聞いたことがない。
 勃起ペニスを、指の代わりにするだなんて…。
 でも、この時僕はもう少し事態を疑ってかかるべきだったのかもしれない。
 先生のマンションは、入口がオートロック式になっていた。
 つまり、来客はロビーの玄関前で来意を告げねば中に入れないわけで、その意味ではドアのインターホンなど不要なのだ。
 むろん、オートロックと戸別のドアのインターホンの両方を備えたマンションもあるのかもしれない。
 産まれた時から戸建ての家で生活してきた僕には、その辺りの事情がわからない。
 ともあれ、結論から言うと、先生の住居のそれは、インターホンなどではなかった。
 第一、インターホンにしては、ボタンの位置が低すぎる。
 しかも、壁ではなく、ドアの真ん中にあり、先生の腹の高さの位置に、ボタンがついているのである。
 僕は言われた通り、腰を突き出した。
 と、不思議なことが起こった。
 亀頭で触れたとたん、ボタンが向こう側に引っ込み、ドアに穴が開いてしまったのだ。
「こ、これは?」
 僕は先生を振り向こうとした。
 と、その時だった。
 先生が僕を前に押し出すのと同時に、誰かがドアの向こう側から、穴に突き刺さった僕の亀頭を握ってきた。
「うわっ」
 叫んだ。
 想定外の事態に、うろたえずにはいられなかった。
 ドアに開いた穴に、勃起ペニスがずるずると引き込まれていく。
「や、やめて・・・」
 先生が僕のアナルに太い肉の杭を打ち込むのに合わせ、誰かが両手で僕の怒張肉棒を握り、引っ張っている。
「くう・・・」
 まるで、展翅版の上の蝶の標本だった。
 僕はマンションのドアに開いた穴に勃起した性器を突っ込み、磔状態にされてしまったのだ。
「いいぞ」
 先生がドアの向こうの誰かに声をかけた。
「一日中放置されて、うずうずしてたんだろう。少し時間をやる。好きにしたまえ」
「きょうは、ふたりだけで楽しむ日にするんじゃなかったの?」
 返ってきたのは、ジュリの声だった。
 先生の”妹”、アイドル並みの肢体を誇るあのサディストの男の娘だ。
「少しお灸をすえてやろうと思ってな。この少年、いい気になって俺を玩具にしては悦んでるんだ」
「それは兄さんも同じでしょ。兄さんがマゾすぎるから仕方ないじゃない」
「俺がマゾヒストだということは否定しない。だが、そもそもこの合宿の目的は、こいつを性奴隷に仕立て上げることだろう? あまり増上慢にさせておくのは後のためによくないと思う」
 穴は狭く、そこに突っ込まれた僕の肉バナナは、膨らんだ亀頭のせいで容易に抜けそうもない。
「そうね。兄さんの言う通りかもしれない。ならばここでちょっと思い知らせてやろうかしら」
「どうする?」
「新製品、使ってみようと思うの」
「この前取り寄せた、あれか?」
「ええ。兄さんが失神しちゃったやつ」
「あれは…いい。ただ、あの快感に、”初心者”が耐えられるかどうか、だが…」
「大丈夫よ。この少年、性器だけは立派な大人だから。まあ、仮に気が狂ったとしても、性奴としてここで飼ってやればいい」
 ドア越しの不穏な会話に、僕は全身総毛立つ思いだった。
 先生が失神するほどの、快楽?
 気が狂うこともある、だなんて…。
 素敵だ…。
 そんなの、素敵すぎるー。
 ああ…この期に及んで、僕は何をされるというのだろう?


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