Ｒ指定

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　振り向くと、戸口にジュリが立っていた。
　ボディコンシャスのドレスを脱いで、派手な下着姿になっている。
　まず目を引くのは、ワインレッドのブラジャーを押し上げるボールみたいにまん丸の乳房である。
　豊胸手術でもしているのか、隆起があまりにも完璧な球体をしているのだ。
　フリルのついたブラはそんな乳房の下半分を辛うじて隠しているだけだ。
　総レースのパンティも同じくワインレッドで統一され、更にご丁寧にも同色のストッキングをガーターベルトで留めている。
　ジュリが飛び切りいい女であることは認めよう。
　でも、僕の関心は、彼女のエロチックな躰にはなかった。
　彼女が手にしている物体ー。
　それこそが、今僕が熱望するモノなのだ。
「少年、あなたが探してるのは、これでしょう？　悪くなるといけないから、冷蔵庫に保管してたの」
　ジュリが片手を振ると、透明プラスチックの容器の中で、卵の白身みたいな液体がどろりと動いた。
　そうー。
　僕がきょう一日貯めた、精液である。
　ジュリはあの尿瓶を片手に持っているのだった。
「もう、いいでしょ？」
　弾かれたように、僕は立ち上がった。
　向かい合って立つと、ジュリのほうが僕より少し背が高かった。
　もうシャワーを浴びたのか、ジュリの躰からはいい匂いが屋だ寄ってくる。
「もちろん」
　僕を見つめ、ジュリが真顔でうなずいた。
「だからこれを持ってきてあげたんじゃない。最後の一滴まで絞り出すの、あたしが手伝ってあげるから」