Ｒ指定

55

　先生が住んでいるのは、豪奢なマンションの最上階だった。
　地下駐車場にスポーツカーを止めると、先生は専用エレベーターに僕を導き、30階に上がった。
　先生の部屋は、30階の南側に位置していた。
　学生用のワンルームマンションなどではなく、僕の家のワンフロアがそのまま入るくらいの部屋である。
　その部屋を先生は吹き抜けにして使っていた。
　カウンターやソファ、テレビなどがある住居部分と、アスレチックジムみたいなスペースが一体となっている。
「ここは･･･？」
　僕はその不思議な空間を見回して、思わずそうひとりごちた。
　体育館みたいなスペースには、さまざまな器具やベッドが置かれている。
　天井には縦横無尽にレールが走り、吊り革のようなものがあちこちからぶら下げられている。
「調教部屋さ」
　僕の肩を抱いて、なんのてらいもない口調で、先生が言った。
「性に関する器具なら、すべてここにそろっている。君はきょうから4日間、ここで地獄と天国を体験するのさ」
「地獄と･･･天国･･･？」
「君のママとのセックスと、どっちが上か、比べてみるのもいいだろう」
「あの」
　思い切って、僕は訊いてみた。
「今度こそ、先生も、裸になってくれますか？」
「もちろんだ」
　先生が意味ありげに微笑んだ。
「その時が来たら、確実にね。そして君のその卑猥な躰を、心ゆくまで味わわせてもらうつもりだよ」