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180 募る恋情⑥

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 やらねばならないこと?

「何?」

 首をもたげた僕に、

「四つん這いになって」

 ささやくようにヨミが言う。

「犬の格好をして、僕に君のアナルを見せてくれないかな?」

「あ、アナルを…?」

 羞恥と期待で耳元まで赤くなるのがわかった。

「だめ?」

「べ、別に、い、いいけど…」

 ヨミの両膝の間から降り、タイルの床に腹ばいになった。

 その刹那、斜めに突き出た勃起陰茎が固いタイルを擦り、瞬間、快感の稲妻が走った。

 両腕は肘の所で90度曲げ、手首から肘までをタイルに密着させて腰から下だけを上げていく。

「いい子だね」

 うしろに回ったヨミが、僕の尻を正面に見てそう言った。

「アナルが鏡に映るように、躰を少し回そうか」

「う、うん…」

 120度ほど体の向きを変えて鏡に尻を向けたところで、首だけ曲げて背後を見た。

 洗い場の鏡には、僕の筋肉質の臀部の双丘と、その間から覗く下腹に沿うようにして勃起したままの陰茎、そして地球の引力に引かれて股の間からぶら下がった大きな睾丸が映っている。

 ヨミは鏡の像を遮らないようにと、少し横に位置を取り、両手を肉の丘にかけ、ゆっくりと左右に開きにかかる。

 ぱっくり割れていく尻肉のはざま。

 その深い谷間の奥底に、粘土に藤壺で刻印したような皺だらけのくぼみが現れた。

 中央の小さな穴から皺が放射状に伸びるその場所こそが、僕のアナル、すなわち肛門である。

 人差し指をぺろりと嘗め、たっぷり指先に唾をつけて、ヨミがその狭い穴の縁を指の腹でなぞり始めた。

「アア、アアア…」

 微妙な疼きに思わず喘ぐ僕。

「考えてみれば、君のここはまだ処女だったよね。器具は挿入されたけど、まだ誰の性器も受け入れていない」

 言われてみれば、その通りだった。

 地下鉄の中の痴漢たちに襲われた時も、すでに僕の直腸にはミニローターが仕込まれており、実質的に誰もレイプ的な行為までは仕掛けてこなかったのだ。

「た、たぶん…」

 肛門を間近で見られる恥ずかしさと背徳感、そして何よりもそれを喜ぶ倒錯的な快感で、僕はますます勃起する。

「よかった。じゃあ、僕が最初のオトコになれるんだ」

 はしゃぐように言い、ヨミが指の動きを加速させた。

 括約筋の裏側をぐるっと指の腹で一周撫で回すと、

「この感度のよさなら大丈夫だとは思うけど、一応これも塗り込んでおくよ」

 そう言いながら、斜め上を向いた僕の肛門にどぼどぼとボデイシャンプーを垂らし始めたのだった…。
 
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