バナナの皮を剥くように ~薔薇色の少年~ 

ヤミイ

文字の大きさ
上 下
164 / 204

163 見世物にされて⑤

しおりを挟む
 白濁液を満たしたワイングラス。

 その縁に血を吸ったように紅いヨミの唇が触れた。

 淫靡な花弁のように、薄い唇が開く。

 グラスが傾き、とろみのある白い液体が、紅い唇と唇の隙間に流れ込んでいく。

 そのさまを見つめているだけで、動悸が激しくなってきた。

 ヨミが僕の出したものを、うまそうに飲んでいる。

 そう考えると、性器を直接口に咥えられたような疼きが、体の芯に沸き起こった。

 待ちに待った射精で大量の精を放出し、一時的に力を失いかけていた肉棒がぴくりと動き、その存在を訴える。

「おいしいよ」

 半分ほど飲み干したところで、グラスから口を離して、ヨミがつぶやいた。

「思った通りだ。こんなに濃くてコクのある精液は、僕初めて」

 ズキン。

 胸が痛んだ。

 ”初めて”

 その言葉に含まれた裏の意味。

 つまり、ヨミはこれまでにも何度か、僕以外の男性の精子を飲んできたというわけだ。

 どういう過程でそうなったのか、それは想像したくもなかったが、以前この屋敷に泊まった時に目にした光景が脳裏にいやでもフラッシュバックした。

 地下室で緊縛され、何者かに下半身を嬲られて喘ぐヨミ。

 浴場の湯気の向こう、何者かに股間をいじられ、あまりの快感に切ない声ですすり泣くヨミ。

 そして更に深夜の寝室の中、布団で隠れた下半身を何者かにまさぐられて、身も世もなく悶え狂うヨミ…。

 アルビノ特有の蝋人形のような真っ白な裸体がほんのりと薄紅色に染め、薔薇色の対の乳首をびんびんにして…。

 股間の生殖器官に血流が再集結し、肉棒が重さを取り戻すのがわかった。

 再勃起した僕に気づいたのか、グラス片手にヨミが近づいてきた。

「どう? 自分で出したもの、僕と一緒に飲まないかい?」

 そうしてグラスに残った白濁液を一気に口に含むと、顔を僕に接近させ、いきなり唇で唇を塞いできたのである。 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

処理中です...