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156 双竜邸再び⑪

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「いいんじゃない? じゃ、僕も」
 
 四つん這いになった僕の前にしゃがみ込み、ヨミが下から手を差し入れて、僕の乳首を何かで挟んだ。

 洗濯ばさみかクリップみたいなものを両乳首に取り付けると、そこにポケットから出した糸を通す。

「これでどう?」

 ヨミが立ち上がると、二本の糸がピンと張って、僕の乳首が一斉に上向いた。

「君がチンポを引っ張り、僕が乳首を引っ張りながら、彼を玄関まで歩かせるんだ。どっちが前になるのがいいかな? ねえ、アヤカはどう思う?」

「それはやっぱり、ヨミじゃない? 乳首のほうが、ちぎれやすくて、扱いが難しいでしょ?」

「そうだね。そうしよう」

 ヨミが前に立ち、僕を引っ張った。

「アアンッ!」

 勃起乳首を糸で引かれ、僕は犬の格好のまま、前のめりに歩き出す。

「あふっ」

 とたんに今度はお尻の間から後ろに突き出たペニスのほうを強く引かれて、思わず腰砕けになりかけた。

「さあ、頑張るよ!」

 くいくい手首のスナップを効かせて、ヨミが乳首に刺激を送ってきた。

 ただでさえ貼り付けられたローターの振動で、カチコチに勃っている肉芽である。
 
 強く引かれて気持ちよくないはずがない。

 しかも、勃起乳首が前に引かれると、同時に折り曲げられたペニスが後ろ向きに引っ張られるのである。

「うわ、チンポの先からなんか汁が出てきたわ」

 背後から僕を見下ろし、アヤカがさげすむような口調で言った。

「ちょっとこれってやばくない? もうミルク出しちゃったってこと?」

「大丈夫、それはまだ精子入ってないから。その汁は、いわばセックスに備えての潤滑油みたいなものさ。女性の愛液と同じだよ」

 乳首で僕を引きまわしながら、ヨミが言う。

「セックスねえ」

 ペニスを縛ったレースの紐を上下に振って、アヤカがつぶやいた。

「この先こいつがまともに女とやれるとは、とても思えないけどな」

「彼の相手は僕ら男さ。まあ、無事、玄関口までたどり着ければ、のことだけど」

「僕らってのが、意味深ね」

 鼻で笑うアヤカ。

「それに、ヨミ、あんたがまともにこいつと寝るとは、思えないんだけど。人が悪いあんたのことだから、おもちゃにしてポイ、が本当のところじゃないの?」
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