バナナの皮を剥くように ~薔薇色の少年~ 

ヤミイ

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134 試練⑲

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 男が握ったミニローターが、僕の右胸に向かって突き出された。

「あんっ」

 思わず叫んでしまったのも、無理はない。

 ローターが乳首を掠め、束の間の振動が乳頭に伝わったからである。

 我ながらはしたないほどの甘い声音だった。

 それまでずっと放置され、視線による姦淫だけで勃起していた性感帯。

 その異様に過敏になった突起に、ただの一瞬とはいえ、待ち焦がれていたローターが触れたのだ。

 僕の反応があまりに良すぎたせいなのかー。

 男はそのままローターを僕の皮膚に押しつけると、乳論に沿って小さな円を描くように動かし始めた。

「アアアアアアアア・・・アア、アア、アア、アアアアアー」

 痴呆のように、涎を垂らして喘いでしまう。

 乳頭ではなく、乳輪への刺激という、この焦らされ感が、たまらない。

 快感に平らな下腹がひくひく波打ち、剃毛済みの股間から生えたあの逞しい肉の棍棒がメキメキ首を持ち上げる。

「も、もっと・・・」

 無意識のうちに、興奮に掠れたハスキーヴォイスで、そう、訴えていた。

「もっと、して・・・」

 相手が痴漢の集団であることも、こみ上げるリピドーの前では何の意味もない。

 むしろ、余計な気を使わなくていいだけ、ラッキーというべきだった。

 僕の意を汲んで、別の男が、間髪を入れず、すっと手を伸ばしてきた。

 その指先に摘ままれているのは、もう一つのピンクローターだ。

 震えるアーモンド形のプラスチックが、今度は僕の左胸に押し当てられる。

「はうっ」

 走り抜ける痺れに、つい叫んでしまった。

 ウィーン。

 待ち望んだ振動が剥き出しの肌の上を這い回る。

「早く、ち、ちくびを・・・」

 筋肉の鎧で覆われた逞しい胸を反らして、いつのまにか僕は、自ら猥褻極まりない勃起肉芽を誇示していた。

 ふたつのローターは、乳首だけをわざと残して、僕の胸板を這い回っている。

 いつまで焦らせば、気が済むんだ・・・?

 僕は恨めし気に、汗で濡れ光る胸板の表面を動き回るふたつの性具を見やった。

 これじゃ、まるで、蛇の生殺しじゃ、ないか・・・。

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