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124 試練⑨

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 痩せた裸体をVの字に仕切る黒い紐。

 逆三角の股間のゾーンは、バナナの形に縦に畝ができている。

 Vの字の狭間では布幅がかなり浅くなっているため、畝の延長上にわずかにペニスの先が覗いている。

 むろん、先といっても、僕は仮性包茎なので、それは包皮に包まれたチューリップ状の”唇”的な部分である。

 自慢じゃないが、僕は中肉中背の割には筋肉質な体つきをしている。

 それだけに、SMチックに緊縛されると、躰の各署で盛り上がった筋肉がなんとも艶めかしい。

 見ているだけでは飽き足らなくなり、いよいよ作動させることにした。

 4つの性具を起動させるのは、手のひらに入るくらいの平たい箱である。

 表面に4つボタンがついていて、それぞれが3つのローターと1つのアナルスティックに対応しているらしい。

 ためしに赤いボタンを押してみた。

 ウィーンウィ-ンウィーン・・・。

 だしぬけに右の乳首に貼りつけたミニローターが紐の下で震え出し、

「はうっ」

 僕は思わず声を上げてしまった。

 き、きもち、いい・・・。

 自分で弄るのとは全く別の淫ら極まりない背徳的な快感に、乳首がぴんと勃つのがわかった。

 つ、つぎ・・・。

 震える指で、赤の隣の青いボタンを押してみた。

 ウィンウィンウィン・・・。

「ああああ!」

 予想通りとはいえ、左の乳首に貼りつけたローターが振動し始めると、またはしたない声が漏れてしまった。

 ピキーン。

 右に負けじと紐の下でたちまち硬くなる左の乳首。

「くうううう・・・」

 僕はのけぞった。

 きも、

 きも、ち、

 い、い・・・。

 鏡を見ると、股間のVゾーンが、バナナの形をよりくっきり浮き立たせてきていた。

 ハアハアハアハア・・・。

 喘ぎ声が止まらない。

 乳首責めがこんなにも、いいなんて・・・。

 でも、まだだ。

 あと、ふたつも、ある。

 右下の、黒いボタンは、どっちだろう。

 わななく指先で、押してみた。

 ビイイイーーン!

 たちまちペニスが震え出し、

 次の一瞬―。

「あんっ」

 僕は天を仰いでかすれた声で鳴いていた。

 むくり。

 むくむくむく・・・。

「だ、だめえっ・・・」

 あえて口に出して、言ってみる。

「そんなことしたら、ぼく、勃っちゃう・・・」

 張り詰めていくV字形の布。

 谷間からのぞいた肌色の部分が大きくなり、自ら包皮をめくって丸い鼻面が顔を出す。

 ぷうんと鼻を衝く鰹出汁のあの匂い。

 皮を押しのけてその下から現れた亀頭の頭は、いやらしい粘液でねっとりと濡れていた。

 

 
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