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90 虚ろな虜囚⑳

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 母のベッドに身を投げ、ボディスーツの上から身体を弄った。

 脳裏に浮かぶのは、さっき鏡で見た自分の裸身だ。

 でも乳首と陰茎を弄り捲っているうちに、僕は快感に包まれ、次第に妄想に囚われ始めた。

 頭の中の映像が、自分自身のそれから、ヨミのものに変わっていく。

 ゆうべ目撃した、隣の和室でのあのシーン。

 全裸でのけぞり、掛け蒲団から出る何者かの白い手に乳首を弄ばれ、陰部を吸われるアルビノの美少年。

 やがて数珠つながりになって蘇る淫らな記憶の数々。

 写真集の中で、淫蕩なポーズでしなをつくるヨミ。

 自分そっくりの美少年と、組み合わされたふたつの勾玉みたいに、一糸まとわぬ姿で絡み合ってー。

 そしてあの・・・。

 地下室から聞えてくる喘ぎ声。

 露天風呂で悶える白い裸身。

 引き戸の隙間から見えたヨミのアクメ顔。

 そして更に時間は巻き戻され、送迎のミニバンの中での痴態から、満員バスの中での凌辱シーンまで・・・。

 僕は今や自分自身がヨミであり、また何よりもヨミの躰を求める者だった。

 脳裏の中の卑猥な少年が完全にヨミに置き換わる頃には、すでに僕はボディスーツを脱ぎ捨て、裸になっていた。

 自分自身を裸に剥き、その裸体をヨミのものだと仮想することで、脂に火をくべたように燃え上がる。

「アアアアアアアアーッ」

 ドクンドクンを抑えきれず、

 ガクンガクンと腰を打ち振り、

 ドビュッ。

 ドビュビュッ!

「ヨ、ヨミいッ!」

 頭の中の美少年に向けて、両手で握った肉の筒から、熱く滾る白い汁を放ちまくった。

 放物線を描いて落ちてくる白濁液が、愉悦に歪む顔に振りかかる。

 開けた口に流れ込んできたその糊状の体液を、僕は舌を絡めて味わった。

 口腔内でネチャネチャと粘るその濃厚な”自家製ミルク”は、破れた初恋のように青臭く、それでいてどこかほんのりと苦い味がした。

 



 

 
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