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87 虚ろな虜囚⑰
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床が浮き上がるような激烈な制動に、僕を囲んでいた人垣が崩れ、雪崩を打って何人かが倒れかけた。
耳障りなブレーキ音が響き渡り、バスが止まった。
―失礼いたしました。
心なしか、掠れたような声の運転手のアナウンス。
ひどく息を弾ませているのは、なぜだろう。
ちらと運転席のほうを見やると、バックミラーの中の運転手と目が合った。
制帽をかぶった、特に特徴のない中年男だ。
運転手は顔を真っ赤にして、妙に生々しい眼差しで僕を見つめている。
見られていたのだ・・・。
そう思った瞬間、我に返った運転手が、バス停の名を連呼した。
-青葉台です。青葉台です。
プシューッと空気が抜けるみたいな音とともに、真ん中のスライドドアが開く。
青葉台は僕の降りる駅だった。
「お、降ります。と、通して・・・」
僕は崩れて隙間のできた人垣をかき分けて、立ちあがった。
未練たらしくペニスから複数の手が離れていき、反動で肉バナナが下腹を打つ。
ジャケットを拾い上げ、勃起したままの陰茎を重そうに股間の中央で揺らしながら、タラップを降りる。
幸い、バス停は無人だった。
明るい陽光の下で見る僕は、酷く淫らな格好をしていた。
肩紐を外され、チューブトップみたいに下げられて乳首を剥き出しにした上半身。
急角度に切れ込んだVゾーンの脇からはみ出た特大勃起ペニス。
後ろではレオタードのステッチ部分が紐状になり、Tバックの水着のようにお尻の割れ目に食い込んでいる。
その格好のまま振り返ると、バスの窓から鈴なりになった乗客たちが僕を見下ろしているのが見えた。
誰もが瞳に淫蕩な光を宿らせ、陽光の中に立つ半裸の僕の躰を見つめている。
バスが発車する寸前、運転席の窓から、不自然なまでに首をねじ曲げて運転手がこっちを凝視した。
あたかも視線だけで僕を犯そうとでもするかのようにー。
耳障りなブレーキ音が響き渡り、バスが止まった。
―失礼いたしました。
心なしか、掠れたような声の運転手のアナウンス。
ひどく息を弾ませているのは、なぜだろう。
ちらと運転席のほうを見やると、バックミラーの中の運転手と目が合った。
制帽をかぶった、特に特徴のない中年男だ。
運転手は顔を真っ赤にして、妙に生々しい眼差しで僕を見つめている。
見られていたのだ・・・。
そう思った瞬間、我に返った運転手が、バス停の名を連呼した。
-青葉台です。青葉台です。
プシューッと空気が抜けるみたいな音とともに、真ん中のスライドドアが開く。
青葉台は僕の降りる駅だった。
「お、降ります。と、通して・・・」
僕は崩れて隙間のできた人垣をかき分けて、立ちあがった。
未練たらしくペニスから複数の手が離れていき、反動で肉バナナが下腹を打つ。
ジャケットを拾い上げ、勃起したままの陰茎を重そうに股間の中央で揺らしながら、タラップを降りる。
幸い、バス停は無人だった。
明るい陽光の下で見る僕は、酷く淫らな格好をしていた。
肩紐を外され、チューブトップみたいに下げられて乳首を剥き出しにした上半身。
急角度に切れ込んだVゾーンの脇からはみ出た特大勃起ペニス。
後ろではレオタードのステッチ部分が紐状になり、Tバックの水着のようにお尻の割れ目に食い込んでいる。
その格好のまま振り返ると、バスの窓から鈴なりになった乗客たちが僕を見下ろしているのが見えた。
誰もが瞳に淫蕩な光を宿らせ、陽光の中に立つ半裸の僕の躰を見つめている。
バスが発車する寸前、運転席の窓から、不自然なまでに首をねじ曲げて運転手がこっちを凝視した。
あたかも視線だけで僕を犯そうとでもするかのようにー。
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