バナナの皮を剥くように ~薔薇色の少年~ 

ヤミイ

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84 虚ろな虜囚⑭

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 レオタードの上から手が這い回る。

 第二の皮膚のように薄い布地の上から全身を愛撫されるのは、何とも言えない、痺れるような快感だった。

 すぐに、胸の突起と股間から下腹に向けて伸びた陰部の畝を、何本もの手に触られた。

「アン・・・」

 駄目だと思っていても、つい声が出た。

 それが、合図だった。

 最初は恐る恐るだった”手たち”の動きが、僕の反応に自信を得たかのように、加速した。

 しかも、一気に、参加者が増えー。

「そ、そこは、だ、だめ・・・」

 レオタード越しに肉棒を握りしめられ、僕は喘ぐ。

 握られたまま、左右に動かされたからたまらない。

 先っちょがレオタードのVゾーンの端からはみ出そうになり、包皮が枠の補強部分に引っかかって気持ちいい。

 その間にも弄られる両胸の乳首。

 僕は小柄ながら筋肉質だから、胸板も発達している。

 全裸になるとついうっとり見つめてしまうほど、上半身のフォルムには自信がある。

 その胸を味わうように撫で回され、僕の乳首はすでにツンツンに尖っている。

 そのうち、誰かがレオタードの肩紐をずらし、右乳首をはじき出した。

 クリクリクリ・・・。

「アアアン・・・」

 また、喘いでしまった。

 その声が、よりいっそう、周囲の興奮を煽ったようだ。

 まるで乗客全員が痴漢と化したかのように、僕の周りの密度が増したー。
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