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81 虚ろな虜囚⑪
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「ちょっと! また車の中を汚す気?」
アヤカの叱責で、目が覚めた。
勃起して大きくなったペニスをハイレグレオタードの縁から引っ張り出す寸前、僕は手を止めて赤面した。
未練たっぷりの仕草で、火照った肉棒を元の位置に戻す。
躰が疼いてならなかった。
ヨミが憑依したような感じ、とでも言えばいいだろうか。
僕は半ば昨日の車の中のヨミに成り代わり、絶頂に向かって自分の肉体を愛撫し始めていたのである。
正直、無我夢中で、自慰に没頭しかけていた。
「勘弁してよね。あんたがザーメン漏らしたら、いったい誰が掃除すると思ってるの? あたしだよ、あ・た・し」
バックミラーの中で、野球帽の鍔の下から大きな目が僕を睨みつけている。
両側の銛が消え、窓から見える景色は都会のものに変わりつつあった。
「もうすぐバス停だから、頼むから辛抱してくれない?」
アヤカの言う通り、ミニバンは速度を落とし始めていて、進行方向に人の並ぶバス停が見える。
きのうの夕方、僕とヨミがこの車に拾われた場所だ。
「さ、降りて。せいぜい、楽しむがいいわ」
バス停の少し手前で車を止めると、ふんと意地悪く鼻を鳴らしてアヤカが言った。
「な、なんのことだよ?」
むっとしたふりをして言い返した僕だったが、
「とぼけるんじゃないよ。今のあんたが何を望んでるかなんて、とっくの昔からお見通し。このド変態野郎」
そう鮮やかにアヤカに切り返され、後はもう、無言でバンを降りるしかなかった。
アヤカの叱責で、目が覚めた。
勃起して大きくなったペニスをハイレグレオタードの縁から引っ張り出す寸前、僕は手を止めて赤面した。
未練たっぷりの仕草で、火照った肉棒を元の位置に戻す。
躰が疼いてならなかった。
ヨミが憑依したような感じ、とでも言えばいいだろうか。
僕は半ば昨日の車の中のヨミに成り代わり、絶頂に向かって自分の肉体を愛撫し始めていたのである。
正直、無我夢中で、自慰に没頭しかけていた。
「勘弁してよね。あんたがザーメン漏らしたら、いったい誰が掃除すると思ってるの? あたしだよ、あ・た・し」
バックミラーの中で、野球帽の鍔の下から大きな目が僕を睨みつけている。
両側の銛が消え、窓から見える景色は都会のものに変わりつつあった。
「もうすぐバス停だから、頼むから辛抱してくれない?」
アヤカの言う通り、ミニバンは速度を落とし始めていて、進行方向に人の並ぶバス停が見える。
きのうの夕方、僕とヨミがこの車に拾われた場所だ。
「さ、降りて。せいぜい、楽しむがいいわ」
バス停の少し手前で車を止めると、ふんと意地悪く鼻を鳴らしてアヤカが言った。
「な、なんのことだよ?」
むっとしたふりをして言い返した僕だったが、
「とぼけるんじゃないよ。今のあんたが何を望んでるかなんて、とっくの昔からお見通し。このド変態野郎」
そう鮮やかにアヤカに切り返され、後はもう、無言でバンを降りるしかなかった。
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