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61 懊悩の夜⑥

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 だめだ!

 これではまたさっきの二の舞だ!

 ペニスから手を離し、急いで襖を閉じる。

 そのまま音を立てぬよう後退りして、寝具の中に潜り込む。

 掛布団をかぶり、両手でぎゅっと耳を押さえ、外部の音を遮断する。

 でも、無駄だった。

 -イ、イイ・・・。

 閉め切った襖越しに、ほんの微かに聞こえてくるヨミの声。

 聞えるか聞こえないかのか細さだ。

 けれど、僕を昂らせるにはそれで十分だった。

 メキメキと股間の肉棒が硬さを取り戻す。

 ズズズッ。

 敷布団の表面を亀頭の先、包皮が象の唇状に飛び出た部分が擦れて裏筋に痺れが走る。

 下腹と敷布団に挟まれた肉棒は、芯のある硬さを僕の肌に伝えてくる。

 我慢できずに布団から顏を出した。

「アアン、アアン、アアン・・・」

 とたんに高まるヨミの喘ぎ声。

 くそっ。

 ヨミのやつ、何してるんだ!

 ったく、今度は、何なんだ?

 こらえきれず、また畳の上を這い、襖ににじり寄る。

 震える手で襖を引いて、隙間から覗いてみた。

 刹那、心拍が一瞬間、停止した。

 月光の中、斜め向こうを向いて、ヨミが布団の上に坐り込んでいる。

 その下半身には、掛布団がかかったままだ。

 -アア・・・。

 喘ぎとともに、月の光に裸身がくねる。

 -キ、モ、チ、イ、イ・・・。

 裸の背中の窪みから桃みたいな尻の割れ目にかけての陰翳が、とてつもなくいやらしい。

 ヨミの股間を覆った掛布団は、炬燵のような形に盛り上がっている。

 まるでその中に何者かがうずくまり、ヨミの陰部に顔をうずめているかのように・・・。
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