バナナの皮を剥くように ~薔薇色の少年~ 

ヤミイ

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55 タッチ②

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「な、何を・・・?」

 痺れの来たほうに視線を向けるなり、僕は耳朶まで赤くなった。

 斜め上に勃起した僕のペニス。

 チューリップの花の形に開いた余った包皮の”口”に、あろうことか、ヨミの亀頭が突っ込まれている。

 さながら、ペニスとペニスがキスをするかのように・・・。

 何者かの口淫のせいか、ヨミのペニスは見事に勃起して、弓なりに反りかえっている。

 その薔薇色の肉棒は、華奢な彼自身の外観を損ねるほど猛々しい。

 そしてそのフォルムは、実を言うと、僕のペニスに瓜二つなのだった。

 太さも長さも、更に硬さまでもー。

 そう…。

 仮性包茎であるかないかというただ一点を別として・・・。

 真横から見たら、先をくっつけ合った二本のペニスは、きっと綺麗な二等辺三角形を作って見えたに違いない。

「フフフ・・・」

 含み笑いしながら、くいっとヨミが腰をひねった。

「ほら」

 触れ合った亀頭同士が包皮の中で擦れー。

 たちまち走る快感の電流。

「アンッ」

 僕は反射的に腰を引いた。

 思わず、女のような声を上げてしまっていた。

 ニュルリ。

 粘液の糸を引いて外れるヨミの亀頭。

 その先端に付着しているのは、彼自身の先走り汁なのか、あるいは僕の・・・。

 オナニーを中断したようなもどかしさが残った。

 やめないで。

 危うくそう口走りそうになり、僕は右手の手の甲でとっさに口を押さえた。

 とー。

「返事、まだだったね」

 おそらく、未練たっぷりな表情が浮かんでいるだろう僕の顏を見つめて、確かめるように、ヨミが言った。

「ま、あわてなくていいよ。待ってるから」

 そして、くるりと踵を返し、僕を露天風呂に残して、室内浴場のほうへと去って行ってしまった。
 
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