バナナの皮を剥くように ~薔薇色の少年~ 

ヤミイ

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34 写真集の秘密①

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 いつのまにか失神してしまっていたらしい。

 オナニーしか知らない僕にとって、快感が凄すぎたのだ。

 水面に浮かび上がるように、徐々に意識が戻ってきた。

 夢?

 目を開ける。

 カーっと顔が熱くなった。

 夢などではなかった。

 僕は全裸のまま、テーブルの上に仰向けになっているのだ。

 あわてて身を起こす。

 股間の性器はすっかり萎えてしまっていた。

 なぜか、身体じゅうがだるかった。

 覚えのある虚脱感は、明らかに射精直後のあの感じだ。

 なのに、股間も性器も汚れていない。

 ただ気のせいか、全身の肌がべたついてならなかった。

 何か、透明な液体が付着して、生乾きのまま、放置されていたかのようにー。

 おまけに、かすかにだけど、変な匂いもする。

 一刻も早く、シャワーを浴びたかった。

 が、いつまでも裸でいるわけにもいかない。

 幸い、脱いだ下着と服は、すぐ見つかった。

 ブーメラン型のビキニブリーフに右足を通し、股間まで引き上げる。

 締めつけられる感触が、かすかな快感を呼び覚ます。

 幸い、ペニスが萎えているせいで、先っちょがはみ出ることもなかった。

 シャツを着て、ブリーフの上からジーンズを穿いた。

 居間には誰もいない。

 ヨミも希京も、僕を放置して、どこへいってしまったのだろう?

 キョロキョロしているうちに、無性に腹が減っていることに気づいた。

 居間の奥に古風な硝子戸があり、その向こうに和室が見える。

 予感に惹かれるようにその引き戸を開けると、卓袱台の上に丸い寿司桶が載っていた。

 桶には高級そうな寿司が20貫ほど並んでいる。

 その手前に、メモ用紙があった。

 -栄養、つけといてー

 ヨミの字?

 夕食に、とってくれたのだろうか?

 僕はちょっと感心した。

 あの親子、なかなか気が利くじゃないか。
 
 
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