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11 満員バスの中の痴態③

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 本来ならば、視線を逸らすべきだったろう。

 無邪気に躰をくねらすヨミに悪気がないことは明らかだ。

 ならば、彼の躰をそんな目で見るべきではない。

 それもわかっているつもりだった。

 けれど、無理だった。

 目と鼻の先で揺れ続けるるヨミの躰から、どうしても視線を逸らせない。

 薄い胸に咲いた、ふたつの小さな蕾。

 下腹に沿って反り返る、もっこりした円筒状の白い隆起。

 いや、肌色が透けて見えるから、厳密にいえば、白ではない。

 あまりにも卑猥な眺めだった。

 ヨミがアルビノの美少年であるだけに、その猥褻さは想像を超えていた。

 躰の芯が熱かった。

 僕は自分がアレを硬くしていることに気づいていた。

 ヨミのハーフコートで隠しているが、その下では急速に容積を増し始めたあの器官がジーンズの前を押し上げているのだ。

 もしこの躰の変化をヨミに気づかれたら・・・。

 そう思うと、冷や汗が出た。

 これ以上、見ているのは危険だった。

 自分でも息遣いが荒くなっていることがわかる。

 理性を失い、反射的に手を伸ばし、ヨミのそれに触れてしまいかねない自分が怖かった。

 未練を断ち切り、目を逸らす。
 
 膝の上にあるヨミのハーフコートだけを、ただひたすら見つめることにする。

 鎮まれー。

 そうしながら、己に向けて念じ続けた。

 鎮まるんだ、俺・・・。

 何を興奮してるんだ?

 いくら美少年だと言っても、相手はしょせん、男なんだぞ・・・。

 だがー。

 僕の懸命の努力を水泡に帰したのは、突然聞えたヨミの叫び声だった。

「アッ!」

 喉の奥で立てた小さな驚きの声。

 それが僕の視線を、またヨミの躰のほうに呼び戻したのである。


 
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