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♠38 絶頂プレイ③

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 徹が私を見た。

 頭の先からつま先まで、舐めるように視線を動かした。

 こんなに長い間、彼に見つめられるのは、一緒に暮らすようになって、これが初めてだった。

 と、徹の股間で、動きが起こった。

 死んだウツボのようだった長く太い陰茎だ、かすかに身を震わせ、徐々に頭を持ち上げ始めたのだ。

「そこか」

 徹の視線は、いつしか私の躰の一点で留まっていた。

 変化を生じ始めた、デニムのショートパンツの前である。

 私のそこは、もうパンパンにふくらんでしまっていた。

 ショーパンのサイズが小さすぎるせいもあった。

 右側を頭にして横になった中身がそのまま膨らみ、松茸そっくりのフォルムが浮き彫りになってしまっている。

「そう。あたし・・・」

 私は震えていた。

 またあの衝動が込み上げてきている。

 ファスナーを一気に下ろして・・・。

 徹に見せたい。

 切ないぐらい勃起した、私のアレを。

「なんとなく、そんな気がしていた」

 私に最後まで言わせず、徹が言った。

 何を考えているのだろうか。

 無表情な眼で、私の股間の膨らみをじっと見つめている。

「女の子を引き取ったつもりだったんだが・・・。そのほうが、安全だから」

 意味不明の言葉が、その口をついて出た。

 安全?

 女の子のほうが安全って、どういうことだろう?

 私のいぶかしげな視線に気づいたのか、徹が言った。

 隠す気はなさそうだった。

「知っての通り、俺は独身だ。こう見えても、まだ人並みに性欲もある。だが、俺は女にはあまり興味がない。だから、女の子なら、引き取っても大丈夫だろうと、たかをくくっていた・・・」

 それは・・・。

 私は思わず、ごくりと息を呑みこんだ。

 それは、徹が同性愛者だというカミングアウト?

「ひょっとして・・・見たの?」

 ひやりとしたものを感じて、私は訊いた。

「ああ」

 ためらいがちに、徹がうなずいた。

「何度もな。部屋で、風呂場で、ひとり自分を慰めるおまえの姿を。明らかに、去年までと、やり方が変わっていた。そう、躰のつくりと一緒に・・・。それに気づいた時は、胸が・・・張り裂けるかと思ったよ」

 私は耳朶まで赤くなった。

 顏が火照ってならなかった。

 徹はずっと盗み見していたのだ。

 私の自慰を。

 私がまだ女だったころから、ずっと・・・。

 気持ち悪い。

 不思議とそうは思えなかった。

 それよりむしろ、私はこれまでになく徹を意識してしまっていた。

 原因は明らかだ。

 あの躰・・・・

 徹があんなに素敵な躰をしていたなんてー。

 徹はもう、十分大きくなっている。

 反り返り、血管を浮き立たせ、赤黒い頭を膨らませ、その先に透明な露を宿らせてー。

 あの先っぽ、なんだか初めて見る形。

 しかも、太さは私の手首ほどもありそうだ。

 灯台下暗しとは、このことだった。

 トイレの男より、バスの少年より、ずっとすごい。

 他の誰より、たくましい。

「ひょっとして、欲しいの? コレが」

 ファスナーに指をかけて、私はたずねた。

 しばしの沈黙の後、おもむろに、徹がうなずいた。

 瞬間、徹の喉が鳴り、喉仏が大きく上下するのが見えた。
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