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17 禁断のアルバイト①
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『業務用』というプレートがかかったその箱は、まるで人目を避けるかのように、通路の奥の奥にあった。
滑るようにドアが開くと、鰐部氏に付き添われ、中に入った。
驚いたのは、回数表示が地下10階まであったことと、鰐部氏がそのR-10なるボタンを押したことだ。
「きょうだけこの本社の直通エレベーターを使いますが、明日からは正規の出入り口でお願いします」
「正規の出入り口?」
「このビルのすぐ裏に中央パークという大きな公園があります。作業場の通用口はその中です」
「はあ」
中央パークなら僕もよく知っている。
文字通り市の中心で、オフィス街の憩いの場所と言われている。
しかし、そんなところに出入口があるなんて…。
エレベーターはかなり高速だった。
それでも地上と地下合わせて20階分を下るには、少々時間がかかった。
気まずい沈黙の中、僕は借りたガウンの前をぎゅっと握り締めた。
何しろこの下は全裸なのだ。
しかも、裏地にこすれて、あろうことか、またぞろ乳首が勃ち始めていた。
性器ときたら言わずもがなである。
足を交差させるだけで陰茎の先っちょが裏地のザラザラにこすれ、疼くような快感が走る。
おかげで内腿と内腿の間に太いフランクフルトソーセージを挟んだような具合になり、歩きにくいことこの上ない。
「いつもああなんですか?」
黙り込んでいると、気まずさを払拭するように、鰐部氏が訊いてきた。
「え?」
「いつもあんなに感じやすいのか、ということです」
ちらっとこっちを見た目に好色そうな輝きを認めた気がして、僕はドキリとなった。
「え、ええ…」
僕はうつむいた。
恥ずかしさで顔がカッと熱くなるのがわかった。
何もしていないのにすでに勃起しかけているのを気づかれた気がしたのだ。
「いえ、これは別に、早漏を責めているわけではないのです」
ますます顔を上げられない。
責める責めないの前に、それって、おまえは早漏だと言ってるも同然じゃないか。
そう思ったのだ。
壁を見つめたまま、小男が続けた。
「いやむしろ、そのほうがこの仕事には向いている、そう言いたいのですが」
「あの、だから」
僕はやっとのことで顔を上げ、声を絞り出した。
「そろそろ教えてくれませんか。僕はこれから、何をやらされるのかってことを」
「ここまで来たら、もういいでしょう」
鰐部氏が振り返り、僕に向き直る。
「うすうすお察しかと思いますが、矢風さん、あなたは”乳牛”になるのです」
滑るようにドアが開くと、鰐部氏に付き添われ、中に入った。
驚いたのは、回数表示が地下10階まであったことと、鰐部氏がそのR-10なるボタンを押したことだ。
「きょうだけこの本社の直通エレベーターを使いますが、明日からは正規の出入り口でお願いします」
「正規の出入り口?」
「このビルのすぐ裏に中央パークという大きな公園があります。作業場の通用口はその中です」
「はあ」
中央パークなら僕もよく知っている。
文字通り市の中心で、オフィス街の憩いの場所と言われている。
しかし、そんなところに出入口があるなんて…。
エレベーターはかなり高速だった。
それでも地上と地下合わせて20階分を下るには、少々時間がかかった。
気まずい沈黙の中、僕は借りたガウンの前をぎゅっと握り締めた。
何しろこの下は全裸なのだ。
しかも、裏地にこすれて、あろうことか、またぞろ乳首が勃ち始めていた。
性器ときたら言わずもがなである。
足を交差させるだけで陰茎の先っちょが裏地のザラザラにこすれ、疼くような快感が走る。
おかげで内腿と内腿の間に太いフランクフルトソーセージを挟んだような具合になり、歩きにくいことこの上ない。
「いつもああなんですか?」
黙り込んでいると、気まずさを払拭するように、鰐部氏が訊いてきた。
「え?」
「いつもあんなに感じやすいのか、ということです」
ちらっとこっちを見た目に好色そうな輝きを認めた気がして、僕はドキリとなった。
「え、ええ…」
僕はうつむいた。
恥ずかしさで顔がカッと熱くなるのがわかった。
何もしていないのにすでに勃起しかけているのを気づかれた気がしたのだ。
「いえ、これは別に、早漏を責めているわけではないのです」
ますます顔を上げられない。
責める責めないの前に、それって、おまえは早漏だと言ってるも同然じゃないか。
そう思ったのだ。
壁を見つめたまま、小男が続けた。
「いやむしろ、そのほうがこの仕事には向いている、そう言いたいのですが」
「あの、だから」
僕はやっとのことで顔を上げ、声を絞り出した。
「そろそろ教えてくれませんか。僕はこれから、何をやらされるのかってことを」
「ここまで来たら、もういいでしょう」
鰐部氏が振り返り、僕に向き直る。
「うすうすお察しかと思いますが、矢風さん、あなたは”乳牛”になるのです」
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