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10 奇妙な検査②
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適度に空調が効いていて、部屋の中は適温に保たれている。
なのに僕には暑かった。
衣服を一切身に着けていないにもかかわらず、である。
躰が火照ってならない。
下着を脱ぐ時、最後の最後に右脚を入れる穴に引っかかっていた男性器が、弾かれたように飛び出るのを鰐部氏に見られてしまったのも、痛かった。
全裸になった僕の股間の”ソレ”の怒張ぶりは、もはや隠しようのないものだった。
両手で押さえても、竿の半ば以上が上に飛び出てしまう。
しかもその手の感触で、逆に催しそうになってしまうのだ。
熱は明らかに、股間の”ソレ”から発せられていた。
目の前には試着室にあるような等身大の鏡があり、そこに肌色のものが大写しになっている。
あちこちに骨が飛び出た貧相な裸身に、股間の淡い茂み。
でも、その叢を分けて飛び出し、熟したバナナのごとく反り返った肉色の器官は、猛々しいほど勇壮だ。
核ミサイルの弾頭の形に酷似した亀頭は余った包皮に包まれているものの、そのサイズは幼児の拳ほどもある。
そしてその裏側から垂れ下がった皺だらけの丸い袋。
真ん中で二つに分かれたその袋は、中にたっぷり入っているものの質量を外から窺わせるくらいに大きく丸い。
「ちょっと拝見」
鏡の前で震える僕に、鰐部氏が近寄ってきた。
並んで立つと鰐部氏はかなりの小男で、僕のほうが少し背が高かった。
「そのままゆっくり、躰を回してくださいね。ちょっと、骨格と筋肉量を見せてもらいます」
彼はそう言うと、あたかもオーダーメードのスーツの仕立屋のように、僕の裸身をじろじろ観察し始めた。
恥ずかしくてならなかった。
こんなに近くで、他人に裸を見られるなんて。
それを意識すると、血流がますます性器に集まっていき、海綿体が鎧のように固くなるのがわかった。
その上、鰐部氏は指で僕の躰中の筋肉を押したりつまんだりと、刺激を繰り返す。
ヤバい。
僕は目をつぶった。
なんか、また変な気分になってきた…。
「うーん、どうやら肉体労働には、不向きのようですね。食品会社の工場勤務って、けっこう重労働なんですよ」
僕の躰のあちこちを触り、筋肉のつき具合を調べ終えると、鰐部氏が深いため息をついた。
「そ、そんな…まさか、採用取り消し、ですか?」
不安になって、僕は訊く。
ここまで来てお払い箱だなんて、そんなのひどすぎる。
興奮が一気に冷めていく。
「いえ、もう一つ、道があります」
鰐部氏の視線が、僕の下半身に向いた。
「むろん、これは、あなたさえよければ、の話ですが」
意味ありげにつぶやき、しんねりと目を伏せる。
「なんでもやります。お願いです。言ってください」
「本当に、いいんですか?」
上目遣いに僕を見上げた鰐部氏の目は、さっきまでの無関心で事務的なものではなく、何かねっとりした光のようなものをたたえている。
「え、ええ」
僕は大きくうなずいた。
こうなったらもう、背に腹は代えられない。
家賃も学費も、目の前まで支払期限が来ているのだ。
「わかりました。そこまで言うのなら」
鰐部氏が破顔した。
「ならば検査の準備をするといたしましょう。少々お待ちください」
そんなことを言いながら彼がスチール棚から取り出したのは、先っぽにプラスチックの袋がついた、透明な管のようなものだった。
なのに僕には暑かった。
衣服を一切身に着けていないにもかかわらず、である。
躰が火照ってならない。
下着を脱ぐ時、最後の最後に右脚を入れる穴に引っかかっていた男性器が、弾かれたように飛び出るのを鰐部氏に見られてしまったのも、痛かった。
全裸になった僕の股間の”ソレ”の怒張ぶりは、もはや隠しようのないものだった。
両手で押さえても、竿の半ば以上が上に飛び出てしまう。
しかもその手の感触で、逆に催しそうになってしまうのだ。
熱は明らかに、股間の”ソレ”から発せられていた。
目の前には試着室にあるような等身大の鏡があり、そこに肌色のものが大写しになっている。
あちこちに骨が飛び出た貧相な裸身に、股間の淡い茂み。
でも、その叢を分けて飛び出し、熟したバナナのごとく反り返った肉色の器官は、猛々しいほど勇壮だ。
核ミサイルの弾頭の形に酷似した亀頭は余った包皮に包まれているものの、そのサイズは幼児の拳ほどもある。
そしてその裏側から垂れ下がった皺だらけの丸い袋。
真ん中で二つに分かれたその袋は、中にたっぷり入っているものの質量を外から窺わせるくらいに大きく丸い。
「ちょっと拝見」
鏡の前で震える僕に、鰐部氏が近寄ってきた。
並んで立つと鰐部氏はかなりの小男で、僕のほうが少し背が高かった。
「そのままゆっくり、躰を回してくださいね。ちょっと、骨格と筋肉量を見せてもらいます」
彼はそう言うと、あたかもオーダーメードのスーツの仕立屋のように、僕の裸身をじろじろ観察し始めた。
恥ずかしくてならなかった。
こんなに近くで、他人に裸を見られるなんて。
それを意識すると、血流がますます性器に集まっていき、海綿体が鎧のように固くなるのがわかった。
その上、鰐部氏は指で僕の躰中の筋肉を押したりつまんだりと、刺激を繰り返す。
ヤバい。
僕は目をつぶった。
なんか、また変な気分になってきた…。
「うーん、どうやら肉体労働には、不向きのようですね。食品会社の工場勤務って、けっこう重労働なんですよ」
僕の躰のあちこちを触り、筋肉のつき具合を調べ終えると、鰐部氏が深いため息をついた。
「そ、そんな…まさか、採用取り消し、ですか?」
不安になって、僕は訊く。
ここまで来てお払い箱だなんて、そんなのひどすぎる。
興奮が一気に冷めていく。
「いえ、もう一つ、道があります」
鰐部氏の視線が、僕の下半身に向いた。
「むろん、これは、あなたさえよければ、の話ですが」
意味ありげにつぶやき、しんねりと目を伏せる。
「なんでもやります。お願いです。言ってください」
「本当に、いいんですか?」
上目遣いに僕を見上げた鰐部氏の目は、さっきまでの無関心で事務的なものではなく、何かねっとりした光のようなものをたたえている。
「え、ええ」
僕は大きくうなずいた。
こうなったらもう、背に腹は代えられない。
家賃も学費も、目の前まで支払期限が来ているのだ。
「わかりました。そこまで言うのなら」
鰐部氏が破顔した。
「ならば検査の準備をするといたしましょう。少々お待ちください」
そんなことを言いながら彼がスチール棚から取り出したのは、先っぽにプラスチックの袋がついた、透明な管のようなものだった。
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