少年ペット

ヤミイ

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 ふだんのナルは大人しく、逃げる素振りも見せない。

 そのさまはある意味無気力と言っていいほどで、放っておくといつまでも部屋の片隅で、膝を抱えてぼーっとしている。

 それでも万が一の時のことを考えて、私はナルの犬用の首輪をつけることにした。

 仕事の時は、手に届く範囲に食べ物を置いて出かけ、排便は携帯用のトイレで済ませるように言い置いた。

 これは以前買っておいた防災グッズの中に入っていたもので、化学薬品が仕込まれているからあまり臭わない。

 そして帰宅後トイレの中に便を認めた時にはナルを言葉で責めてやるのだ。

 この時恥じらうように頬を染めるの様子がなんとも私の嗜虐心を煽るから、ナルへのいじりはやめられない。

 考えてみれば、そこまでペット扱いされても従順なナルは、ひどく不思議な存在だった。

 逃げようと思えばいくらでもチャンスがあるのに、ずっと奴隷的立場に甘んじて嫌な顔ひとつしないのである。

 もしかしたら、と私は思う。

 この少年は、私に拾われる前も、誰かのペットだったのではないだろうか。

 奴隷のように扱われるのが当然の生活に慣れ親しんできたから、私の仕打ちにも平気でいられるのではないか。

 だとしたら、今この瞬間も、元の飼い主がナルを探している可能性がある・・・。

 ならば尚更、絶対外に出せない。

 私は固く決意した。

 この子は私のものだ。

 どんな手を尽くしてでも、ここから出られないようにしてやるー。

 幸い、わずかながら、冬のボーナスが出た。

 その日、帰宅すると、私はさっそくスマホでネットを検索した。

 ターゲットは、アダルトグッズの通販のページである。

 ナルをつなぎとめる一番の方法。

 それは暴力でも恐怖でもない。

 快楽だ。

 私は、本能的にそう確信していた。

 R指定のボタンを押すと、目の前に奇妙な形状のグッズがおびただしく並んだ不思議なページが現れた。

 見ているうちに、ゾクゾクしてきた。

 そこには想像を絶する深い闇が拡がっていたのだ。

 
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