淫美な虜囚

614 淫蕩フィギュア⑱

　肛門に手首まで腕を突っ込まれ、剥き出しの男性器を千切れるほど扱かれて…。

　翔はもはや、おびただしい体液をまき散らす淫らな筋肉の塊だった。

　カウパー腺液を垂れ流す亀頭。

　直腸内にたまった媚薬入りローションをにじませる今にも張り裂けそうなアナル。

　どちらも獄卒の手をトロトロに濡らしてしまっている。

　しかも今、翔は新たに、射精すらをもほのめかしているのだ…。

「だめだよ、翔…」

　僕はうつ伏せになり、畳の上を這い進もうとした。

　翔のほうに右腕を伸ばし、躰をずり上げた瞬間、

「くっ」

　股間に痺れるような快感が走った。

　翔のイラマチオを受け、バッキバキに勃起した生殖器官。

　仮性包茎ののそれは翔の口淫によって包皮を剥かれ、濡れ濡れの亀頭が露出してしまっている。

　その亀頭の裏側が、青畳の表面にこすれてしまったのである。

「ああ…」

　目の前では、腹話術の人形のように空中に掲げられ、バコンバコンと突き上げられて、シュコシュコされる翔。

　背中側に四肢を折り畳まれたその躰は小包ほどのサイズになり、突き出たペニスだけが淫靡に強調されている。

　そして何より、その肉塊にはあの美しすぎる顔がついていた。

　整形で完璧に仕上げたような韓流スターそっくりのその美顔が、未知の快楽で卑猥なほどに弛緩しているのだ。

　これほど獣欲をそそる光景もなかった。

　僕は腕立て伏せするように両腕で上体を支え、無意識のうちに股間を畳に擦りつけ始めていた。

　あふ、き、きもち、いい…。

　得意の、床オナニーの体勢だ。

　いつもはひとりでこっそり全裸になって、スマホでエロ動画を見ながらやるアレだ。

　だけど、今は目の前に最高のオカズがある…。

　こんなの見せつけられて、何もしないでいられるはずがない…。

　畳の表面に、亀頭の裏をこすりつけ、勢い余って上体を波のように動かし、乳首をもこすってみた。

「あ、あん…」

　たちまち固くなるふたつの肉芽。

　足元で悶え始めた僕を、翔が裏切られたような目で見降ろしてきた。

「タクミ…いいの？」

　苦渋に満ちた声が言う。

「このまま、出しちゃって…」