淫美な虜囚

ヤミイ

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597 淫蕩フィギュア①

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「うぐっ」
 
 僕は腹を押さえて仰向けに転倒した。
 
 意図せずして、しどけなく股が全開になる。
 
 衝撃で、ぶらんぶらんと開いた股間の勃起陰茎が揺れた。
 
 マスクからのぞく、獄卒の目がその一点に注がれた。
 
 背後に吊るされた翔を残し、大股に僕のほうへと歩み寄る。
 
 丸太のような右腕が伸び、熊手みたいな手が開かれる。

「あうっ」

 勃起した陰茎をやおら握られ、僕は悲鳴を上げた。

 ぎゅうっ。

 肉茎の真ん中あたりをむんずと握りしめたまま、獄卒が力を籠めた。

「ああっ」

 肉棒に、激痛が走った。

 潰れる、と思った。

 とっさに視線をやると、握りしめた獄卒のこぶし所で瓢箪のようにくびれた陰茎が、視界に飛び込んできた。

 すさまじい握力で僕の一部を握りしめたまま、獄卒が僕の裸体を持ち上げにかかった。

「あああ、あああ、あああっ」

 下半身がずり上がり、陰茎を支点として、ずるずると躰がさかさまに持ち上げられていく。

 体重が徐々に男性器の付け根にかかり、鎧状に肉茎を覆った海綿体がゴムみたいに伸び始めた。

「あふ、や、やめ、て…」

 完全にさかさまに吊るされ、僕は喘いだ。

「ち、ちぎれ、ちゃう…」

 両手両足が背中側にだらんと垂れ、握られた股間を頂点にした僕は、あたかも壊れた傘みたいだ。

 にゅうっ。

 全体重が一点に集中し、情け容赦なく肉棒が伸びていく。

 実際に伸びている証拠に、周囲より色の濃い陰茎の根元の所に、新たに白い部分が現れている。

 白い色の分だけ、新たに生殖器官が伸びているというわけだ。

 右腕一本で僕を目の高さまで吊り上げると、獄卒は次の行為に出た。

 まるで僕の性向を知っているかのようにー。

 剥き出しになった、僕の乳首を抓んできたのだ。

 右を抓み、僕がうめき声をあげるのを確かめ、すぐに左をいじる。

 その繰り返しに、

「あああ、あああ、あああ…」

 僕はもう、喘ぎ続けることしかできなくなってしまう。

 不思議なことに、その頃にはすでに痛みはなくなっていた。

 痛みどころか、気持ちいい、のである。

 男根を握りしめられ、それ一本で宙づりにされているという恥辱まみれの背徳感。

 そこに、大好物の乳首いじりが加わり…。

 僕はまるで自、分自身が翔と融合したような錯覚を覚え、つかの間、陶然となってしまったのだった。 
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