淫美な虜囚

580 引き裂かれる恥穴④

　獄卒は翔の調教師であるとともに、一流の俳優でもあるらしかった。

　おそらくカメラの位置もすべて把握してのことだろう。

　僕らの期待通り、胡坐縛りの翔をバックから貫いたまま、おもむろにこちらを振り返ってみせたのだ。

　正面を向いたせいで、一気に丸見えになる翔の痴れた全裸の肉体。

「おお」

「やだ」

　姉さんと陽が同時に感嘆の声を漏らす。

「翔…」

　僕も無意識のうちに彼の名を呼んでいた。

　ああ、正面を向いた翔の姿の、その卑猥なことといったら！

　胡坐の形に無理やり開かれ、荒縄で太腿と脛を緊縛された両足の間ー。

　つるつるに剃毛した陰部に、天井を突くような勢いで聳え立つごつごつした肉の棒。
　
　松茸そっくりの亀頭を誇示したその卑猥な器官は、ズル向けの亀頭の先っぽから、透明な液を滴らせている。

　その背後にある平らな下腹には六角筋が浮き上がり、流線形の臍を中心に興奮で激しく隆起を繰り返し、その上に広がる胸筋の端と端に突き出た一対の薔薇色の乳首は、ダイヤル状の乳輪の真ん中で痛々しいほど固くなっている。
　
　そして、わずかばかり上向いたその美顔ー。

　ＫＰＯＰアイドル顔負けのその美しい貌に浮かぶのは、苦痛と陶酔の入り混じった淫蕩な表情である。

「アアアン･･･」

　半ば開いた唇の端からは先の尖ったピンク色の舌先がのぞき、その先端からは涎まで垂れている始末だった。

　上体を反り返らせた獄卒の股間に、お尻を密着させるようにして乗った全裸の翔。

　勃起したペニス一本で支えられるといった不安定な姿勢でありながら、見事に宙に固定されている。

「アアアアアアアア･･･」

　翔の喘ぎ声は次第に長く尾を引くものになっていく。

　全身の体重が獄卒のペニスにかかり、”Gスポット”への刺激がかなりのものになっているからだろう。

　むろん、獄卒の責めはそれだけでは済まなかった。

　本番はこれからー。

　まさしく、さっき陽が言った通りだったのだ。

　次に起こった出来事に、僕らは一様に凍りつかずにはいられなかった。

「アアアン･･･ﾀﾞ､ﾀﾞﾒｴ･･･」

　響き渡る甘ったるい翔の抗議の声に、姉さんの握力がさらに増し、握りつぶさんばかりの強さで僕の勃起陰茎を締めつけた。