淫美な虜囚

ヤミイ

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577 引き裂かれる恥穴①

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「あの恰好、マジでラブドールみたいね」
 
 ボンテージスーツの下で淫らに硬直した僕をニギニギしながら、姉さんが言う。

 その声には、淫靡な高ぶりが籠っている。

「ほら、よくあるでしょ、女性の下半身を象った等身大のお人形」

 なるほど。

 姉さんの指の感触に喘ぎそうになりながら、僕は心の中でうなずいた。

 胡坐縛りのままうつ伏せになり、全裸でお尻をこちらに向けていやらしく突き出している翔ー。

 その姿は、確かに下半身だけの性具にも見える。

 翔のお尻は女性のそれほど大きくはないが、形よく筋肉が詰まった上にほどよく脂が乗り、とても卑猥なのだ。

「実は、最近、ゲイ用のラブドールも商品化されているんですよ。今の翔さまは、まさにそれだ」

「ゲイ用? ってことは?」

 陽の言葉に猫みたいに姉さんが目を光らせた。

「そう。男性の下半身を精巧に象ったものです。もちろん、女性版同様に、全身タイプもありますけどね。ちゃんとリアルなペニスもついていて、電動で勃起するようにできています。顔などのパーツは好みによって付け替えられますから、女性たちにも密かに人気の商品なのですよ」

「いいわね・・・」

 姉さんの声が湿りを帯びる。

「ちょっと、そそられちゃうわ」

「翔さまをモデルに、新たなラブドールを量産すれば、ひと儲けできるかもですね」
 
 陽がくすっと笑った時、極卒が動きを再開した。

 それまで、狙いを定めるように、両手で翔のお尻の谷間を割って、奥の肛門の具合を確かめていたのだがー。

 おもむろに、股間から突き出た巨大な肉棒の先端を、その割れ目に差し込んだのである。

「ヒイッ」

 小声で翔が鳴く。

 獄卒はそのまま力づくで押し込むわけでもなく、翔の肛門に海亀の頭部のような亀頭を当て、ゆっくり上下左右に動かしている。

「ア、アアン・・・」

 翔の声が甘えるような響きを帯び始めた。

 意外に繊細な獄卒のペニスの螺旋を描くような動きに、少しずつ感じ始めているらしい。

 それに呼応してー。

 すでに指責めで十分すぎるほどほぐされている翔の肛門は、新たな刺激を受けていよいよその本領を発揮しようとしていた。

 押し当てられ、周辺を動き回る亀頭を捕えようと、括約筋が自ら盛り上がり、本来の用途である肛門の開閉とは別の役割を果たし始めたのだ。

 あたかも女性器の大陰唇と小陰唇のように、ひくひく蠢き出したのである。

「やめろ・・・」

 ふいに嫌悪感を覚えて、僕はうめいた。

 何を今更、と笑われるかもしれない。

 でも、なぜだか嫌な予感がした。

 このままでは、翔が本気になってしまう・・・。

 この僕のことを忘れるほど、本気に・・・。

 突如湧き上がった痛みに似た嫉妬とともに、強くそう思ったのだ。
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