淫美な虜囚

ヤミイ

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567 淫蕩の拷問部屋⑪

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 ビシッ!

 また、鞭が唸った。

 胸板に刻まれる赤い筋が増え、血の糸が白い肌を伝い落ちる。

「アアア・・・アアア・・・」

 のけ反った翔の顏には、当然とした表情が浮かんでいる。

 不思議なことだった。

 あれほどの打擲を受け、血を流しながらも、翔はまったく痛がっていないように見える。

 いや、それどころか、その恍惚とした表情と股間のイチモツの変化を見る限りでは、むしろ感じてさえいるように見えるのだ。

「本物の変態ね。あいつ、鞭で打たれて、悦んでる」

 僕の思いを代弁するように、姉さんがつぶやいた。

 その手は僕の”隆起”を握ったまま、動きを止めてしまっている。

 さすがの姉さんも、目の前で展開される本格的なSMショーに、衝撃を受けているのだろう。

「翔さまの体質です。痛みが閾値を超えると、快感に変わる。だからどこまでも、快楽を突き詰められるというわけです」

「とんだ求道者だわ。あれじゃ、いつ死んでもおかしくないわね」

「まさにその通り。ですが、ある意味、翔さまは幸せです。どんな目に遭おうとも、エクスタシーを感じながら死んでいけるのですから」

 陽の語る翔の特異体質。

 それを承知しているかのように、極卒の打擲は烈しさを増していく。

 これまで上半身中心だった鞭打ちが、ついに下半身にまで及び始めたのである。

 生白い翔の内腿に、蚯蚓腫れが走る。

 鞭で傷つけられるたび、翔の半開きの唇から、甘やかな声が漏れる。

 当然のことながら、鞭打ちのターゲットは、下半身の中で一番の障害物に集中する。

 股間から急角度で突き出た、勃起しすぎて警棒のように硬化した見るもいやらしいあの生殖器官である。

 しなる鞭が、カチコチの肉棒を容赦なく打ち据えると、

「アアンッ! アンッ!」

 柱に縛りつけられたまま、翔がガクガクと躰を震わせた。

 肉棒が纏った鎧状の海綿体に痛々しい赤い筋が刻まれ、膨張した亀頭の先端から、チュプッと透明な体液が漏れた。

 傷だらけの胸板の両端では、薔薇色の勃起乳首が花弁のかたちをした乳輪に、それぞれ濃い影を落としている。

「キモチ、イイ・・・」

 ふたつの乳首と人並外れたサイズの陰茎をビンビンに勃たせて、涎を垂らしながら翔がそうつぶやいた。

 
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