淫美な虜囚

ヤミイ

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564 淫蕩の拷問部屋⑧

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 それにしても、なんという巨漢だろう。

 僕は呆気にとられ、極卒を見上げた。

 身長は2メートル近くあるだろうか。

 綺麗に剃った頭頂部が、今しも鴨居に届きそうである。

 その頭部だが、頭頂部が尖っていて、横から見るとラグビーボールを立てたようだ。

 銀色の縁取りの黒い覆面は目と鼻を覆い、その下に分厚い唇が真一文字に結ばれている。

 顎はがっしりしていて中央部で二つに割れている。

 首は恐ろしく太く、両側に腱を浮き立たせて肉食恐竜のそれのように真っすぐ後頭部に繋がっている。

 岩盤を二枚並べたような裸の上半身と見事なほどくっきりと六角筋の浮き出た下腹は、ボディビルダーのそれだ。

 四肢はどちらも丸太のように太く、少し動かすだけで縄を撚ったような筋肉の束と針金状の腱が浮き上がる。

 生白い翔の裸体とは正反対に肌がよく日焼けしているため、そのコントラストが背徳的なくらい、いやらしい。

 そして何よりも目を引かずにはいられないのが、その股間のひし形ゾーンだった。

 ボンテージスーツの下半分だけを身に着けた巨漢は僕同様、陰部だけをひし形の薄革で隠しているのだがー。

 その膨らみ具合といったら、まったくもって、おそるべきものだった。

 太さも長さも、ビール瓶一本分は優にある。

 それがひし形を、中身が今にも食み出そうなほどピチピチに膨らませているのである。

 しかも、形状からして、まだ勃起には至っていないようだ。

 あれがもし勃起したらー。

 想像するだけで、背筋がゾクゾクした。

 あんなものを突っ込まれたら、それだけで翔は肛門が引き裂け、血だらけになって死んでしまうのでは・・・?

 その妖しい想像は、ますます僕を滾らせた。

 姉さんの手のひらに握られた陰茎が、ピクピク波打つのが自分でも分かった。

 獄卒は肩に担いでいた縄かロープの輪を鴨居にかけると、無造作な仕草で翔の身体を僕らのほうに向けた。

 麻薬中毒患者みたいな惚けた表情で、翔が僕らを見た。

 そのはだけた襟元から左手を突っ込み、極卒が毛の生えた芋虫みたいな指で、翔の乳首を弄り出す。

 くりくりくりくり・・・。

 くいっ、くいっ、くいっ。

 -ア、アアアアア・・・ー

 ルージュを真っ赤に塗られた翔の唇が微かに開き、甘い息を吐き出した。

 むくり。

 着物の前を割り、股間からピンク色のものが、にょっきりと頭を突き出した。

 震えながらゆっくりと立ち上がるそれはー。

 言うまでもなく、極卒の乳首責めに反応して勃起し始めた、翔の男性生殖器官、すなわち陰茎だ。

 ああっ、翔!

 僕は心の中で叫び、危うく前へ飛び出しかけた。

 頬ずりして、口いっぱいに頬張り、しゃぶりたい。

 あれこそ僕のすべてー。  

 あの、罪にまみれた熱く硬い肉の棒ー。

 あれこそ僕の、青春の象徴なのだ・・・。
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