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509 地下迷宮③
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ドアが開くなり、なんだかいい匂いが漂ってきた。
食欲を刺激する、温かみのある匂いである。
無機質で殺風景な廊下の仕様に反して、幸いなことに、部屋の中は普通のホテルの一室といった感じだった。
中は3つの空間に分かれていて、左手にテーブルと椅子のあるダイニングキッチン、右手がソファのある休憩室、正面がすりガラスの壁になっている。
「あれは?」
姉さんが奥の壁に嵌まったドアを顎で示して尋ねると、
「たぶん、浴室でしょう。用途からして、かなり広いと思いますよ」
意味ありげに陽が答えた。
用途?
どういうことだろう?
ただシャワーを浴びるだけではないということなのか?
ダイニングキッチンのテーブルには、すでに食事が用意されていた。
匂いの元は、これだったのだ。
湯気の上がる皿に盛られた料理の数々は、このホテルの格式にふさわしい、いかにも高級そうな洋食だ。
けれど、なぜか3人分しかない。
さっさと料理の前に座る姉さんと双子たち。
まさか・・・。
嫌な予感がした。
「ああ、巧君の食事は、これです」
用が指差したのは、4つ目の席に置かれた小さなパウチである。
ゼリー状のエネルギードリンクなどが入っている、例の携帯食だ。
「心配いりません。プロテインたっぷりだから、これで十分満腹感を得られます」
「どうして・・・?」
薄々わかってはいたが、訊かずにはいられなかった。
「もちろん、プレイのためです」
食事にとりかかりながら、あっさり答える陽。
「あなたがプレイ中にお漏らししたら、翔さまにご迷惑ですからね。そうでしょう?」
食欲を刺激する、温かみのある匂いである。
無機質で殺風景な廊下の仕様に反して、幸いなことに、部屋の中は普通のホテルの一室といった感じだった。
中は3つの空間に分かれていて、左手にテーブルと椅子のあるダイニングキッチン、右手がソファのある休憩室、正面がすりガラスの壁になっている。
「あれは?」
姉さんが奥の壁に嵌まったドアを顎で示して尋ねると、
「たぶん、浴室でしょう。用途からして、かなり広いと思いますよ」
意味ありげに陽が答えた。
用途?
どういうことだろう?
ただシャワーを浴びるだけではないということなのか?
ダイニングキッチンのテーブルには、すでに食事が用意されていた。
匂いの元は、これだったのだ。
湯気の上がる皿に盛られた料理の数々は、このホテルの格式にふさわしい、いかにも高級そうな洋食だ。
けれど、なぜか3人分しかない。
さっさと料理の前に座る姉さんと双子たち。
まさか・・・。
嫌な予感がした。
「ああ、巧君の食事は、これです」
用が指差したのは、4つ目の席に置かれた小さなパウチである。
ゼリー状のエネルギードリンクなどが入っている、例の携帯食だ。
「心配いりません。プロテインたっぷりだから、これで十分満腹感を得られます」
「どうして・・・?」
薄々わかってはいたが、訊かずにはいられなかった。
「もちろん、プレイのためです」
食事にとりかかりながら、あっさり答える陽。
「あなたがプレイ中にお漏らししたら、翔さまにご迷惑ですからね。そうでしょう?」
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