淫美な虜囚

505 M男たち⑯

　客たちの視線は、今や大画面に釘づけだ。

　画面に大写しになっているのは、睾丸のつけ根を細紐で縛られ、宙吊りにされた翔。

　たった一本の紐で吊るされているため、翔の上半身や四肢は、壊れたマリオネットのそれのようにバラバラに放り出され、重力に引かれて、下向きに垂れ下がっている。

　その中で唯一、斜め後ろに向かって突き立っているのが、たくましく勃起した陰茎だった。

　その陰茎が、本来とは異なり、躰の後ろ側へ突き出ているのは、例の直腸のせいである。

　緩んだ肛門から引きずり出された半透明の直腸が、緊縛された睾丸の右脇をかすめ、勃起陰茎に被せられている。

　そのため、短い直腸に引っ張られて、怒張した肉竿が肛門のほうへと引き寄せられているのだ。

　気を失った翔は、千切れそうな睾丸を起点にして、力なく吊るされている。

　搾り上げられ、縊れて丸く膨らみ、破裂寸前の陰嚢袋。

　射精した直後だというのに、なぜか陰茎はガチガチに勃ったままだ。

　スレンダーながら、つくべき箇所には十分な筋肉を備えたその肉体は、息を飲むほど美しい。

　しかも目を閉じ、口を半開きにしたその完璧なまでの横顔は、男らしさの中にどこか少年の面影を残しており、見ているだけで抱きしめて犯したくなるほど妖しげだ。

　人体実験の検体のような、全く無防備なそのさまを見ていると、それまで受け身一方だった僕の中にも、また別の衝動が芽生えてくるから不思議だった。

　翔を、犯したい･･･。

　この手で、めちゃくちゃに、してやりたい･･･。

　そして、ヒイヒイ泣かせて、絞り出したあのほろ苦い精液を、思う存分、飲んでやる･･･。

　そんなことを考えたら、姉さんの足の裏に踏まれてひしゃげていた陰茎に、再び硬さが戻ってきた。