淫美な虜囚

498 M男たち⑨

　いったい、どこがどうなっているのかー。

　いや、そもそも、そんなことがあり得るのだろうか。

　だが、目の前で行われている残虐行為は、紛れもない事実だ。

　その証拠に、観客たちは誰もが固唾を飲んでステージ上の大画面に見入っている。

　翔の尻肉の谷間。

　その底に穿たれた淫らな穴から引きずり出された半透明の管。

　脱肛とでもいうのだろうか。

　けど、見た感じ、事態はそれ以上に禍々しい。

　獄卒は、何の遠慮もなく、その臓物の一部を引き出している。

　脱肛なら、はみ出た部分はそれこそ小指の先ほどの長さでしかないはずなのだがー。

　マスクをかぶったあの地獄の悪鬼は、こともあろうに･･･。

　人差し指で掻き出しただけでは飽き足らず、そこに親指を動員して先を抓むと、翔の内臓の一部を、強引に引っ張って肛門の外に引きずり出したのだ。

　獄卒が引っ張ると、粘液でぎらつく翔の直腸は、かなりの抵抗を見せながらも、千切れる寸前でぬるりと細いゴム紐みたいに伸びてしまった。

　－ｱ、ﾀﾞﾒｯ！

　内臓を引きずり出されているというのに、翔の呻き声は妙に甘ったるい。

　駄目と言いながら、その舌っ足らずな口調は「もっとして」と聞こえるのだ。

　その声に歓迎の響きを聞き取ったのか、獄卒がさらに大胆な行為に出た。

　左の手で握り、垂直に立てた翔の勃起ペニス。

　それを肛門のほうにぐにゃりと折り曲げるとー。

　ゴム紐みたいに伸ばしたチューブ状の直腸の口に、そのハート形の亀頭を押し込んだのである！　

　ﾆｭ､ﾆｭｳｯ！－

　逆さまにされ、あからさまなほどに自ら両脚を開いた姿勢のまま、ピクピク感電したように悶絶する翔。

　が、やがてその美しい顏に、ひたひたと波が寄せるように見ているのが恥ずかしくなるほど淫蕩な表情が現れ･･･。