淫美な虜囚

ヤミイ

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408 肉欲世界の中心で⑧

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 不穏な言葉だった。

 滑りをよくしておかないと、大惨事になりかねないー。

 どういうことだろう?

 そんな危険を伴う性行為とは、いったい・・・?

 陽の言葉に、観衆たちもどよめいている。

 舞台に仕掛けられたマイクが翔の喘ぎ声や棒らの会話を拾って、大スクリーンの映像と一緒に、観衆たちに届けているのである。

「ともあれ、今度は三人一緒にやってみましょうか」

 陽がうなずくと、陰が兄の横に立った。

 改めて並んだところを見ると、瓜二つの顔立ちをした若年ホストの兄弟は、その裸体までそっくりだった。

 違いは兄の陽のほうが完全に剥けているのに対して、弟の陰は僕同様、仮性包茎であるというそのことだけだ。

 ただし今は二人とも十分にペニスを勃たせていて、陰でさえ包皮が三分の一ほど剥けかけている。

「三人一緒って、どういうこと?」

 姉さんが訊くと、陽が頭上に右手を伸ばし、人差し指と親指でV字を作り、ぶら下がる翔の肛門の縁に当てた。

「なあに、簡単なことです。巧君のペニスを唾液まみれにする時、僕らはひとりずつ唾液を垂らしましたよね。でも、翔さまの肛門は別です。M男モードに入った彼には、指一本では物足りない。唾液をまぶした指を、三人一緒に突っ込むのです」

「唾液をまぶした指を、三人一緒に・・・?」

 マスカラで強調された姉さんの眼が、きらんと光った。

「いいかもね。それ」

 その言葉が聞こえたのか、

 -アアア・・・ハヤク・・・。

 翔がねだるように、ティアドロップ型の下半身をくねらせた。

 くびれた腰から左右に張った骨盤、そして曲線を描いて盛り上がる二つに割れた桃のような尻・・・。

 それがくねくねうごめくさまは、滅茶苦茶に凌辱したくなるほど浅ましい。

 ドギマギする眺めだった。

 M男の僕の中に、新たな僕が産まれようとしている・・・。

「それと、M男モードってのは、なあに?」

 陽の指で弄ばれる翔を憑かれたように見入っていると、耳に姉さんの声が聞こえてきた。

「もうお察しのことと思いますが」

 翔の肛門を指で開けたり閉めたりしながら、陽が答えた。

「この秘密パーティーにお出になる時の翔さまは、普段とは逆に、完全なるマゾヒストを演じられるのです。いや、演じるというより、本当の自分を曝け出すというのが、正しいのかもしれません・・・」
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