淫美な虜囚

315 共有される裸体⑲

　老婦人の手が翔の中心に伸びた。

　股間からへそへと伸びた畝の両側に、節くれ立った二本の指が置かれ、

「さあ、気持ちよくしてあげるよ」

　意外に若々しいひそやかな声とともに、マッサージが始まった。

　人差し指と中指がラップに包まれた肉棒を挟み、ゆっくりと上下し始める。

　上下に擦られ、むくむくと太さを取り戻す器官。

　哺乳類の生殖器官の中でも、最も美しい形をした翔のペニスが勃起し始めたのだ。

「すごいわね…すぐに大きくなっちゃって」

　感心したように老婦人が言う。

　言いながらも、慣れた手つきで愛撫を続けている。

　ｱｱｱ…。

　勃起度に呼応するかのように、ぐるぐる巻きにされたラップの下で、翔の口が喘ぎの形に開くのがわかった。

　ﾁ､ﾁﾝﾁﾝ…。

　その口の辺りには、ラップに微細な空気穴が開いている。

　そこから翔のかすれた声が漏れ出した。

　ｷﾓﾁ､ｲｲ…。

　ミイラと化した翔の下半身が、少しずつ持ち上がる。

　老婦人の指をもっと感じようと、不自由な姿勢から、腰だけで股間を迫り上げているのだ。

　ｻﾜｯﾃ…。

　喘ぐ翔。

　ホスト顔負けの美形顔が、ラップの下で奇妙に歪んでしまっている。

　ﾓｯﾄ､ﾂﾖｸ…。

　くい、くい、くい。

　ﾓ､ﾓｯﾄｵ…。

　自ら腰を振る木乃伊。

　マミープレイとは、よくぞ名付けたものだ。　

　その中心では、肉の棒がまっすぐへそを指し、今にもラップを突き破らんばかりに怒張している。

　翔…。

　僕はこみあげる衝動に歯を食いしばる。

　頬張りたいー。

　僕の眼はもう、膨張する翔の中心に釘づけだ。

　ハート形の亀頭を持つそれは、まるで筋肉でできた卑猥な矢印のようだった…。