淫美な虜囚

303 共有される裸体⑦

　他人のペニスの包皮を被せられるー。

　というのは、まさしく異次元の体験だった。

　スタンダードな”兜合わせ”なら、翔との間でしたことがある。

　でも、翔は仮性包茎ではないので、正直、こんなのは初めてだ。

　陽の言う通り、これは仮性包茎者同士の極めてアブノーマルな兜合わせなのである。

「ｱｱｱ…ｺﾚ、ｲ、ｲｲ、ｶﾓ…」

　つま先立ちになり、わななく僕を尻目に、陽が”作業”を進めていく。

　今度は、僕の包皮を引き伸ばし、陽の亀頭にかぶせるのだ。

「これで、どう？」

　かぶせ終わって、陽が訊く。

　向かい合って立つ僕ら。

　その股間から怒張したペニスは、姉さんの手で床と水平になるまで押し下げられ、鼻面を突き合わせている。

　亀頭同士を先端に開いた尿道口でキスするようにくっつけ合った上に、

　まず、陽の包皮で僕の亀頭を包み込み、

　その上から更に、僕の包皮で陽の亀頭を包み込んだのだ。

　二重の包皮で包まれたふたつの亀頭は、縦に切れ込んだ尿道口を密着させ合ったまま、固定されている。

「もう、手を離していただいてけっこうです」

　陽が姉さんにそう告げると、

「じゃあ、始めるよ」

　僕の耳にささやくなり、腰をゆっくりグラインドさせ始めた。

「ｱｱﾝｯ！」

　亀頭の先を亀頭で擦られ、強烈な快感に思わず及び腰になる僕。

　その僕を、そうはさせじと背後から陰が突き上げた。

　陰のペニスはすでにカチコチに勃起していて、僕の尻肉の割れ目に盾に嵌まり込んでいる。

　それで僕の躰をぐいと前に押し出したのだ。

「さあ、キミもやってごらんよ」

　淫らに腰を回しながら、陽が言う。

　陽の腰の動きに合わせて、二重の包皮で包まれた中で亀頭同士が擦れ合う。

　どちらも仮性包茎だけに、亀頭の濡れ具合は半端ない。

　仮性包茎者の亀頭の特長は、あまりに過敏なため、すぐに濡れてしまうことなのだ。

「ｱｱ､ｱｱ､ｱｱ…」

　無意識のうちに、陽に合わせて腰を回し始める僕。

　陽の回転と逆方向に腰をグラインドさせると、亀頭同士の擦れる角度や強さが変わって、より気持ちがいい。

　ﾊｱﾊｱﾊｱ…。

　いつしか烈しく喘ぎ始めた僕を背後からぎゅっと抱きしめると、陰が指先で乳首弄りを開始した。