淫美な虜囚

ヤミイ

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276 卑猥な生贄①

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 地の底から湧き上がるような力強い拍手が鳴り響くと、それに応えるべく、しずしずと緞帳が上がり始めた。

 隙間から舞台の光が漏れてくる。

 その黄金色の光に包まれて現れたのは、真っ白なベッドである。

 さっきのベッドとは違い、縁が少し高くなっていて、なんとなく長方形の子供用プールのようだ。

 その中央に寝そべっているのは、まぎれもなく翔だった。

 化粧を施されているのか、顔色が異様に白く、唇だけ血を吸ったように赤い。

 長めの髪は髪質が柔らかく、先がわずかにカールしているせいで、遠目には美少女のように見える。

 そして、極めつけは、その”衣装”だった。

 僕は無意識のうちに、翔も僕ら観客と同じ紐水着を身につけて登場すると思い込んでいたのだが、どうやらそうではなかったらしい。

 翔が着用させられているのは、第二の皮膚のように生地の薄い、純白のハイレグレオタードだった。

「あれは…」

 うわ言のように、姉さんがつぶやいた。

 僕もすぐにピンときた。

 あれは、あの恰好は、翔とZOOMで性的行為に耽った時、誤送信で紛れ込んできた映像に映っていた時の・・・。

「汚らわしい」

 翔に目を据えたまま、吐き捨てるように、姉さんが言った。

「アレに比べたら、この水着のほうが、まだマシだわ」

 乳首の上を通る紐をピンと指で弾いて、そう毒づいた。

 僕も同感だった。

 確かに、翔の着ているレオタードのほうが、僕らの紐水着より、布面積はずっと広い。

 でも、なんていうのか、僕らがほとんど裸に近いのに比べて、翔には人為的に強調された猥褻さがあった。

 まず、レオタードの色が白であること。

 そして、生地がひどく薄いらしいこと。

 更に、デザインがかなり過激で、Vゾーンの切れ込み具合がすごく、ノースリーブで胸繰りも深い。

 あの体勢では見えないが、おそらく背中は尾骶骨あたりまで空いているに違いない。

 僕の眼は、仰向けになった翔の股間に釘づけになった。

 レオタードが、そこだけ縦にもっこり膨らんでいる。

 生地が薄すぎるため、アレの形や色が完全に透けて見えてしまっているのだ。

 まだ、勃起はしていない。

 でも、長さ20センチにも及ぼうかというほどの肉でできた太い松茸状の器官が、布越しにはっきり視認できる。

 太くて長大で、とてつもなく卑猥な、あの翔の”分身”が…。

 それは胸も同じだった。

 花弁のような乳輪と、その中央に飛び出た肉の蕾が、レオタードからふたつ克明に浮き上がってしまっている。

 紐水着を押し上げて、僕の股間で陰茎がメキメキと勃ち上がった時だった。

 ふいに、マイクを通した司会者の声が、会場のざわめきを断ち切った。

「では、皆さまには、四人一組になっていただきます。行為時間は一組10分です。よろしいでしょうか?」

 

 

 
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