淫美な虜囚

ヤミイ

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122 生贄少年⑬

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 男が丸っこい人差し指で指し示したのは、乗客たちの足元に転がった性具、エネマグラである。

 吊り革で宙吊りにされ、彼らに蹂躙されている間に、誰かが僕の肛門から抜いて捨てたのだろう。

 エネマグラでクチュクチュ中をかき混ぜられた後、確か、生の指を何本か、じかに突っ込まれたような気がする。

「あれは確か、エネマグラってやつだよね? 肛門内と外側から、同時に前立腺を刺激するスグレモノだ。噂には聞いてたけど、実物を見るのはボクも初めてだよ。あんなすごいものを、少年の君が身に着けてること自体、驚きだったんだけど…。あんなもの、どうやって手に入れたんだい? ネット通販で、こっそり買ったとか?」

「違います…」

 真実を口にしようとすると、ぞくぞくするような興奮で、すぐに乳首が勃ってきた。 

「装着、させられたんです…。無理やり…。ある青年に…」

「そ、装着させられた? エネマグラを? た、他人に?」

 黒縁メガネの分厚いレンズの奥で、男のギョロ目が飛び出しそうなほど見開かれた。

「ええ…。僕は彼の、性奴隷だからって…」

 僕の恥じらいを籠めたそのひと言に、乗客たちが一斉にどよめいた。

 視線がじっとりと粘着力を増し、僕の剥き出しの肌の上を、舐めるように這い回る。

「性奴隷…。なんて素敵な響きなんだ」

 男の声が震えた。

 もたれた僕の後頭部に、またぞろ硬くなった男のアレが、ズボン越しに当たるのがわかった。

「彼、というからには、やっぱ、主人は男か…。きっと、その青年というのは、君にお似合いのすごい美形なんだろうね」

「ええ、その通りです」

 僕の代わりに答えたのは、佐代子姉さんだった。

「ご主人さまは天使かと見紛うばかりの絶世のイケメンなのです。そして私は、彼の命令で、彼にこの子の恥ずかしい姿を、ずっとこれで、生中継してるところだったのです」

 姉さんは、訊かれてもいないのに、動画を録画状態にしたスマホを掲げると、にっこり微笑んで得意そうにそうつけ加えたものだったー。
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