淫美な虜囚

ヤミイ

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81 発情少年極刑⑭

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「太郎と、花子、 ペットって…いったい 何のことですか?」

 姉さんが、切れ長の美しい目を丸くすると、全裸のまま部屋の奥へと立って行った翔が、扉の一つを開けた。

「太郎、花子、退屈してたか? 出番だよ」

 向こう側に上半身を入れ、そう声をかける。

 と、

 ワンッ。

 元気のいい返事とともに、翔の脇を潜り抜け、二頭の犬が飛び出してきた。

「きゃっ」

 両手を握り締め、口元に当てる姉さん。

 見開かれた瞳に、みるみるうちに恐怖の色がみなぎった。

 肝を冷やしたのは、僕も同じだった。

 弛緩した手足に力を入れ、とっさに精液だらけのベッドの上に半身を起こした。

 跳ぶように近づいてくる二頭の犬は、毛並みの短いドーベルマンである。

 二頭とも、体長は僕と同じくらいあり、四肢が長く、耳まで裂けた大きな口から長い舌を垂らしている。

 ドーベルマン達は傍ですくみ上る姉さんには目もくれずベッド際まで駆け寄ると、次の命を待つように鎮座した。

 長い舌からだらだら涎を垂らし、ハアハア息を吐きながら、二頭とも、なぜかじっと僕のほうを見つめている。

「紹介しよう。身体の一回り大きいほうがオスの太郎、色が白っぽいこっちのお嬢さんが花子だ。どっちも血統書付きのドーベルマン、性欲旺盛の5歳だよ」

 犬の年齢に7をかけると人間の年齢になる。

 そう聞いたことがあるから、5歳ということは、二頭とも人間ならば30代半ばか。

 確かに性的に最も熟した時期といえるのかもしれない。

 でも、それが、僕とどんな関係が…?

「いいことを教えてやろう。太郎と花子の一番の好物は、人間の男の精液なんだ。どうせM男のおまえのことだ。全身を汚したその精液、何も言わなくてもいずれ俺か佐代子さんに舐め取ってもらえると期待していたのだろうが、そうは問屋が卸さないぞ。いいか、おまえは今となってはもう奴隷なのだ。奴隷には、犬の舌こそがふさわしい。ねえ、佐代子さん、貴女も、そう思いませんか?」

 勝ち誇ったような翔の声に、ややあって、姉さんがうなずいた。

 いかにも獰猛そうなドーベルマン達の興味が自分にはないことに、ほっとしている様子が丸わかりだった。

「全身に付着した精液を、犬に…? 面白そうですね。ぜひ、見てみたい、気がします」

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