淫美な虜囚

ヤミイ

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38 凌辱⑦

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 僕はその恥ずかしい姿勢のまま、二度精を放った。

 二度目は乳首を弄られただけで逝ってしまったほどだった。

 精液の匂いを立てる僕を床に転がすと、翔が言った。

「まだいけるか?」

 僕はうなずいた。

 目尻に涙が滲んでいた。

「なぜ泣いている? どこか痛いのか?」

 翔の鈍感なひと言に、僕は拗ねた眼で翔を見上げた。

「いつも僕ばっかり逝かされてる…」

 それが腹立たしかった。

 これではまるで、僕は道具みたいだ。

 ただ喘いで精液を撒き散らすだけの、哀れな肉の袋じゃないか…。

「おまえは奴隷だからな」

 翔が苦笑した。

 その美しい笑顔が、憎かった。

「翔は、僕のこと、好きじゃないの? 一緒に逝っては、くれないの?」

「奴隷のくせに、愛がほしいと?」

 翔の酷薄な笑みが深くなる。

「そうだよ…僕のペニスは、もう、翔なしではいられない…」

「いいだろう。今日は観客もいるしな」

 観客?

 なんのことだろう?

 翔が僕を抱え上げ、ベッドに運んだ。

 向かい合って座ると、僕の腰を上げ、自分の下半身を下に滑り込ませてきた。

「受け容れろ」

 言われるまでもなかった。

 僕は片手で尻の割れ目を開くと、翔の勃起した男根をアナルに咥え込んだ。

「くうっ」

 出したばかりだというのに、腹に着かんばかりにペニスが立ち上がる。

 それを、翔が右手で握ってきた。

「舐めろ」

 言いながら、左手の指を僕の口に突っ込んだ。

「あうう…」

 快感に流されぬよう、僕は懸命に翔の指を舐める。

 翔の右手が素早く動き、僕の肉棒をしごき上げてきた。

 翔の腰がくねくねと上下して、僕のアナルを硬く尖った肉槍で突き上げる。

 気持ちよかった。
  
 それこそ、意識が飛びそうになるほど。

 でも、どうして…。

 頭の片隅に、ふと疑問が湧いた。

 僕は、どうして、こんなことになってしまったのだろう…?

 ついこの間まで、僕はごく普通の高校生だったはずなのに…。

 なのに、いつのまにか、翔みたいな美青年と、こんなに気持ちよくて、恥ずかしいことをー。

 そんなことをちらっと考えた時だった。

「もっと近くでご覧になったらどうですか? そんな、マジックミラー越しじゃなく」

 翔の呼びかけに呼応して、壁の向こうから、ふらりと人影が現れた。

 薄物を裸身にまとっただけの、若い女である。

 女は、薄物の上から己の乳房を揉みしだき、もう一方の手で狂ったように陰部をまさぐっている。

 その熱に浮かされたようなとろんとした瞳は、食い入るように僕らの行為に注がれている。

「佐代子さんは、本当にこういうの、お好きなんですね」

 翔が、姉の名を呼んだ。
  
 そして、その時初めて、僕は思い出した。

 姉がベッドの下に隠していた漫画雑誌の数々。

 佐代子姉さんは、まぎれもなく、筋金入りの腐女子だったのだ。

「光栄ですわ。こんな素敵なライブに立ち会わせていただいて」

 ねっとりとした口調で、その姉さんが言った。

「私、興奮しすぎて、もうどうかなっちゃいそう…」

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