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「いいですよ」

 Kが挑戦的な目で僕を見た。

「ならば早く出させてくださいよ。先輩の愛撫は今いち物足りなくて、出したくても出ないんですがね」

「言ったな」

 僕は彼を振り返った。

「僕らをシックスナインの体位にしてください。フィストファックのままでもできますよね」

「それは難題だな」

 彼が苦笑した。

 その唇の端からは、今僕が放ったばかりのミルクが垂れている。

「そのためにはお前たちの肛門から一度両手を抜く必要があるな。先におまえたちがシックスナインの体勢を採り、そこで俺がふたりを改めてフィストファックする。それならなんとかなるだろう」

「じゃあ、それで」

 僕がうなずくと、

「望むところです」

 Kも了承の会釈を返してきた。

「よし、抜くぞ。まずはK,おまえからだ」

「あふ」

 宙づりのまま、Kが硬直した。

 にゅるり。

 その痩せて尖った尻肉の間から、粘液にまみれた彼の手首が現れた。

「ああ、ああ、アアアアア…」

 切なげに鳴くKの股間では、怒張した細いペニスが興奮に打ち震えている。

 じゅぼっ。

 拳が抜け出ると同時に、

「はうあ」

 一声叫んで、Kが失神した。

「よし、次はきさまだ」

「お願いします」

 僕は全身の力を抜き、直腸と肛門を広げた。

 じゅるじゅるじゅる…。

 窮屈な管の中を、彼の武骨な拳が指の関節で内壁をこすりながら移動し始めた。

「あう」

 僕はうめいた。

 彼がぐりぐり拳を回転させながら引き抜こうとしているのがわかったからだ。

「き、きもち、イイ…」

 思わず、喘いでしまった。

「見ればわかるさ」

 鼻で笑うように、彼が言った。

「きさまのチンポのふしだらさといったら、どうだ。まったく、開いた口がふさがらない」

 言われるまでもなかった。

 射精したばかりだというのに、僕の股間では、あの細長い棒状の器官がまたしても目覚めようとしていた。

 きょう何度目のお目覚めだろうか。

 海綿体に血流が集まり、鎧のように茎の部分を固くして、挙句の果てに目のない頭部をゆっくりと…。

 水平方向に左右に動くその肉色の生殖器官は、まるで僕の躰から生えた独立した別の生物のようだ。

「かつて、あなたはそこに惚れたんじゃないですか」

 僕は直腸内を移動する彼の拳を全力で締め付けながら、その摩擦からくる快感を味わった。

「一度の調教で、何度勃起させられたことか」

「勃起だけじゃない、射精もだ」

 彼が開いたほうの手で、ミルクまみれの僕を握ってきた。

「あの頃のきさまはまだ初々しくて、絶頂を迎える時の表情がたまらなく愛おしかったものだ」

「今は? 今は、どうなんですか?」

「堕落した、とでも言っておこう」

 彼の動きが乱暴になった。

 僕の陰茎を取っ手代わりに握りしめ、ぎゅうぎゅうこじりながら拳を肛門から引き抜きにかかった。

「きさまはあまりにも多くの男たちに抱かれ、掘られ過ぎたんだ。だからあの頃と比べて悲しいほど精液も薄まっている。俺はきさまの薄味のミルクより、Kの青臭いほど濃いミルクが好みなんだよ。さあ、抜いたぞ。シックスナインでもなんでもいい。早くKを気持ちよくして、あの青春の味のする甘く苦い淫らな汁を出させてくれないか」






 天井のレールから下がったロープを外された。
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