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 負ける、もんか・・・。

 寄せ来る快楽の波動に、僕は歯をくいしばって耐える。

 その分、全神経を指に集中して、ひたすらKの乳首を責めてやる。

 くいくいくいくい・・・。

「だめえ・・・」

 その甲斐あって、Kはもう陥落寸前だ。

 その証拠に、彼の手からはみ出たペニスの先で、Kの亀頭は僕のより更に烈しく濡れてきているようだった。

 逝け!

 早く、逝ってしまえ!

 自分がされると気持ちのいいことをKの乳首ですべて試しながら、僕は心の中で念じ続けた。

 おまえなんかに、肉便器の座は譲らない。

 一年かけて勝ち取ったこのステータス。

 どうして、ただ若いだけが取り柄のおまえなんかに譲らなきゃならないんだ?

「イ、イッチャウ・・・」

 Kが救いを求めるように彼を見る。

「デ、デチャウ・・・」

 やった!

 僕は心の中で快哉を叫んだ。

 これで僕の勝ちは間違いない!

 今度こそ、だ。

 今度こそ―。

 もうひとひねりで、Kはしこったペニスの先っちょからどびゅどびゅ熱いミルクを噴き出して果てるに違いない。

 がー。

 僕の目論見は、彼の次のひと言で、もろくも粉砕した。

 僕らのペニスを扱く手を緩めると、彼は苦笑混じりに言ったのだ。

「そうまで言うなら、仕方ない。Kはなんせ新人だからな。少しハンデをつけてやろう」

 ハンデ?

 僕は耳を疑った。

 ハンデって、何?

 どっちが早漏かを決めるこの真剣勝負の世界に、そんなのあっていいものか?

 けれど、抗議するより、彼の行動のほうが早かった。

 空いた左手を下から差し入れるように伸ばすと、次の瞬間、彼の人差し指が僕の肛門を貫いたのだ。

「あひっ」

 僕は硬直し、腰を浮かせた。

 ずぶっ。

 ずぶずぶずぶっ。

 彼の長くしなやかな指が、肛門を割って直腸深くめり込んでくる。

 ちゅぷ。

 湿った音。

 ヤバい!

 彼は指に何か塗っている!

「思った通り、ガバガバだな。これじゃ、新鮮味がないと、お偉方から愛想を尽かされるはずだ」

 くちゅくちゅいやらしい音を響かせて、僕の躰の中をかき混ぜながら彼が言う。

「ど、どういうこと・・・?」

 新鮮味が、ない?

 お偉方から、愛想を・・・?

 絶望で、目の前が暗くなった。

 でも、それもひとときのことー。

 すぐにやってきた肛門愛撫の快感に、僕は何も考えられなくなっていた・・・。
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