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雨の日のカーブミラー

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雨の日に学校に行くのがすごく嫌だったんです。

雨になると学校まで距離あるので靴とか汚れたり、鞄が濡れたりするのが嫌なのもあるんだけどね。

学校へ向かう通学路は左にゆるく曲がるカーブになっていてその途中に枝分かれして学校に向かう道がある。
自分たちはカーブの右側にある歩道を歩く。

そして学校へ枝分かれする道のためにカーブの右側に左右を確認するミラーが設置されている。


雨の日になるとそのミラーの中にいるんです。

距離あるのでハッキリと見えてるわけじゃないけど。


学校に向いているように黒い傘を差した顔の見えない赤いスカートの人。
スカートだから女の人だと思う。

枝分かれした学校に向かう道に入るといない。ミラーの中だけにいる。。

いつも同じかっこうをしているし・・・そういうやつなんだと思います。


きっと生徒の誰かは気がついてる子もいるはず、でも学校ではそんな噂はないんですよね。

なんか、見ている時に何か言ったりしたらこっちに向かってくるんじゃないかって、そんな気がする。

それに傘の下の顔、見えないからどんな顔をしているか分からないのも怖い。

できるだけ見て見ぬふりをしているんだけど、

なんか、

少しずつだけどこちら側に動いているような気がしてるんです。


でも、あと少しで卒業だから大丈夫かな、と思っています。
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