小界奇談～ちょっと怖い物語～（100話完結）

お泊まり会

学校でお泊まり会というのがあったんです。

昼間は教室で工作したり、外でドッジボールや缶蹴りとかしたり、家庭科室でカレー作って体育館で寝る感じなんですけど。

消灯して一人、また一人と寝ていく中、自分は全然眠れなくて。

大人達は教室の方に行ってしまって本当に静かになってしまって。

扇風機を使うとうるさいとの事で使われないから窓や各出入口は開けたままだったので、足元のすぐ側にある出入口からこそっと出て、三段くらいの階段に腰を下ろすと目の前は校庭なのでしばらくそこで星を見たり。

その校庭の右側に校舎があって、一階の左側の体育館に近い二つの教室が大人達が寝る場所になっていて、様子が見えるんです。

何やら飲みならが楽しげに話してるようで。

いいな～大人は・・・って思いながら見ていました。

その後、校舎全体を見た時に三階の教室の窓の外に張り付いている人影があるのに気づいたんです。

カエルみたいにへばり付きながら少しずつ動いている。

もう、こっちに気づかれたらヤバいと思って
そっと体育館の中に入って、出入口横の窓からこっそりその影を見ました。

上の階からどうやら楽しそうにしている大人達の教室に向かっているようでした。

少しずつ、少しずつ近くなっていくにつれて
大丈夫かな、襲われたりしないかな、とか心配になってきてました。

その時、

「ねぇ、何してるの？」

と後ろから小さい声で声をかけられて心臓が口から飛び出そうなくらいびっくりしました。

すぐにシーって言いながらもう一度窓の外を
見たら、もうその人影？みたいなのはいなくなっていました。

声をかけてきた子に見たことを話したんですけど、もう遅いから戻って寝た方がいいよ、と言われて布団をかぶっていろいろ考えてるうちに寝ちゃったんです。

朝になって声をかけてきた子にあの時の話そうと思ったんだけど。

参加してる子供たちの中に昨日声をかけてきた子はいなかったんです。