小界奇談～ちょっと怖い物語～（100話完結）

トイレの花子さんは

うちの学校でも花子さんが出るってうわさが流行って実際にトイレに行って確認しようとする子かたくさんいたんです。

まぁ、みんなでにぎやかに面白がって行っても花子さんだって出てこないよね、って友達と話していたんです。

そもそもトイレは数年前にリフォームしたのでわりと陽が差すので明るくて綺麗なんですよ。
だから出るわけないって。


土日の夜はママさんバレーで体育館が使用されているんですけど、友達がバレーボールをやってる間に遊ぼうってことになった。

校舎も開いていたので廊下で遊んだりしていました。

それからしばらく遊んでいたらお腹がゴロゴロしてきたので友達と一緒にトイレに行ったんです。


私が終わって出た時には友達は出ており、となりのトイレをのぞいていた。

「何もないよね。やっぱり」

となりは３番目・・・たしかに何も、誰もいない。

「せっかくのチャンスだし」

と言って友達はノックをしようとした。

すかさず私は呼びかけるのは止めようと言った。
本当に出たら怖いからさすがにそれはしないと友達は言ってくれた。

そしてノックを３回。


何も起きなかった。

「やっぱり呼ばないと駄目なのかもね」

あきらめてトイレから出ようと電気を消す瞬間、


「はい」


と、小さいけれどたしかに声が聞こえた。


もう、怖くて体育館まで走って逃げ出しました。


やはりにぎやかなのは苦手だったみたいです。