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第5章:英雄の街でアルバイト!
26.バイト選び
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「うわあ。いろんな募集がありますね!」
マースは店の前に貼られる求人募集のポスターを見て言った。
「あ、皿洗いなんてどうです? 接客もないし時給も2000ゴールドですよ!」
「マースくん。ここで君に職場選びの知恵を授けよう」
ダミ子の眼鏡がキラリと白く光り奥の目は見えない。
「な、なんですか急に」
「こういう時労働先を決める時に大切なのは賃金の高さではなく労働環境だ。そして仕事内容に嘘偽りがないか」
1に人間関係。
2に仕事内容。
3に賃金と労働時間。
これらすべてを天秤にかけジャッジ。
そして、その中で大事なのが仕事の内容に関して賃金が比例してるかだ。
「例えば君の言ってるここ。皿洗いなのに時給2000ゴールド。これは絶対なんかある」
「何かとは?」
「皿ではない別のもの洗わされてる可能性がある」
「べ、別のものってなに」
「死体洗いとか」
「怖っ!」
マースの声がひっくり返った。
「ダミ子さんそれは発想が突飛なんじゃ」
「じゃあなんでこんなに貰える?」
「……やめましょう考えるの」
皿洗いは却下。
「あ、この店はどうです! 『食事・ドリンクの提供』!」
「ふうん」
「つまりお運びですよ! あ、こっちの宿屋は『シーツ等寝具の交換』ですって! 両店1500ゴールド。皿洗いより大変そうだしこれなら労働内容に比例してるんじゃ、」
「ダメだな」
遮るように両方却下。
「なんでですか!?」
「その内容で1500ゴールドもちょっと怪しい」
「えっ」
「食事の提供は臓器提供かもしれないし、シーツ交換は魂の取り合いかもしれない」
「んなバカな!? こんなニコニコ笑ってる人たちがそんなことするわけないでしょ!?」
バン! とマースは目の前のポスターを叩く。
煌めく汗をダイヤモンドの如く散らし爽やかに笑顔で働く人たちが写っていた。
「『皆仲良くアットホームな職場です』を鵜呑みにするなよ。あれ嘘だから」
必死になる助手を憐れむように一瞥。
次に自分側に従業員が笑顔で肩組んでるポスターを指差した。
「皆楽しく和気あいあいの職場なら随時求人かけてないだろ。この円陣のメンツ何度入れ替わってることか。いや、このポスターのメンツ事態サクラかもしれない」
「やめてー! そんなこと言ってたらバイトなんてできませんよ!」
「仕事選びはこれくらい慎重じゃないといけないんだよ……ん?」
話してる最中に鮮やかなピンク色のポスターが目に入った。
でっかくハートが描かれたイラストの横に、
《只今まかないつき!! 美味しいメニューたくさんあるよ!》
などと書かれていたもんだから。
「あそこにしよう」
「ダミ子さん言ってることとやってること矛盾してるのわかってます?」
「こういうのはビビッときたかどうかなんだよ。私はビビッときた」
「まかない100パーセントでしょ!」
結局まかないで職場を決めた浅はかな上司にマースは呆れ果てた。
マースは店の前に貼られる求人募集のポスターを見て言った。
「あ、皿洗いなんてどうです? 接客もないし時給も2000ゴールドですよ!」
「マースくん。ここで君に職場選びの知恵を授けよう」
ダミ子の眼鏡がキラリと白く光り奥の目は見えない。
「な、なんですか急に」
「こういう時労働先を決める時に大切なのは賃金の高さではなく労働環境だ。そして仕事内容に嘘偽りがないか」
1に人間関係。
2に仕事内容。
3に賃金と労働時間。
これらすべてを天秤にかけジャッジ。
そして、その中で大事なのが仕事の内容に関して賃金が比例してるかだ。
「例えば君の言ってるここ。皿洗いなのに時給2000ゴールド。これは絶対なんかある」
「何かとは?」
「皿ではない別のもの洗わされてる可能性がある」
「べ、別のものってなに」
「死体洗いとか」
「怖っ!」
マースの声がひっくり返った。
「ダミ子さんそれは発想が突飛なんじゃ」
「じゃあなんでこんなに貰える?」
「……やめましょう考えるの」
皿洗いは却下。
「あ、この店はどうです! 『食事・ドリンクの提供』!」
「ふうん」
「つまりお運びですよ! あ、こっちの宿屋は『シーツ等寝具の交換』ですって! 両店1500ゴールド。皿洗いより大変そうだしこれなら労働内容に比例してるんじゃ、」
「ダメだな」
遮るように両方却下。
「なんでですか!?」
「その内容で1500ゴールドもちょっと怪しい」
「えっ」
「食事の提供は臓器提供かもしれないし、シーツ交換は魂の取り合いかもしれない」
「んなバカな!? こんなニコニコ笑ってる人たちがそんなことするわけないでしょ!?」
バン! とマースは目の前のポスターを叩く。
煌めく汗をダイヤモンドの如く散らし爽やかに笑顔で働く人たちが写っていた。
「『皆仲良くアットホームな職場です』を鵜呑みにするなよ。あれ嘘だから」
必死になる助手を憐れむように一瞥。
次に自分側に従業員が笑顔で肩組んでるポスターを指差した。
「皆楽しく和気あいあいの職場なら随時求人かけてないだろ。この円陣のメンツ何度入れ替わってることか。いや、このポスターのメンツ事態サクラかもしれない」
「やめてー! そんなこと言ってたらバイトなんてできませんよ!」
「仕事選びはこれくらい慎重じゃないといけないんだよ……ん?」
話してる最中に鮮やかなピンク色のポスターが目に入った。
でっかくハートが描かれたイラストの横に、
《只今まかないつき!! 美味しいメニューたくさんあるよ!》
などと書かれていたもんだから。
「あそこにしよう」
「ダミ子さん言ってることとやってること矛盾してるのわかってます?」
「こういうのはビビッときたかどうかなんだよ。私はビビッときた」
「まかない100パーセントでしょ!」
結局まかないで職場を決めた浅はかな上司にマースは呆れ果てた。
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