11 / 39
第2章:【ナマケモノの爪の垢】
11.VS盗賊団!
しおりを挟む
「早く!急いで!」
『のろのろ~』
解放されたナマケモノたちはのらりくらりと一歩を踏み出す。
そして踏み出してはボーッと立ち止まってみたり戻ってみたりする。
「ダッシュしろダッシュ! また盗賊たちに捕まるぞ!」
もあ~……?
優雅に首を傾けるナマケモノたち。この間十二秒。
ダメだこいつら自分たちがピンチだと思っちゃいない。
牢屋が解放されてからもナマケモノたちはカタツムリが這うかのようなまったりした歩調で牢屋を出ていく。
「このままじゃ一匹残らずまた捕まってしまう!」
「もーっ急いで急いで! ファイト頑張って!」
ナマケモノたちの背を押しやっと牢屋がある部屋から出るも、その先の蟻の巣のようなアジトの道中で次々と盗賊たちと鉢合わせする。その度胡椒瓶ネムクナールをふりかけて逃亡。
ちゃんとついてきてるか後ろを振り返ると胡椒瓶ネムクナールの残り香で地面に倒れ伏すナマケモノ数匹がいたので背負って(火事場の馬鹿力だちくしょう)出口へ向かう。
「やった出口だ!」
洞窟に射し込む光へ飛び込む。
「よっしゃ住民救出&アジト脱出成功……って、」
出口には残りの起きている盗賊暫定20人が待ち構えていた。
「よくもやってくれたなァ」
「覚悟できてんだろうなオラ」
「許さねェぞ」
「どこからさばいてやろうか」
「血祭りにしてやるぜ」
「ひゃっはーッ血・血・血ーーッ!!」
まさかの出待ち。
しかも総動員体制。
しかも全員もれなくデンジャーな香り。
「ダミ子さん【ネムクナール】は!?」
「ヤバイ。さっきので消費しまくっちゃった」
胡椒瓶の中身はすっからかんだった。
「これは……戦うパターンか?」
「戦うってどうやって勝つつもりですか盗賊20人相手に! 僕の攻撃魔法じゃナマケモノさんたちごと巻き込んでしまいます!」
マースが後ろでぞろぞろ歩くナマケモノたちを見て叫ぶ。
「だから、こうやって」
ダミ子は肩にかけたショルダーバックから小型の丸い筒を取り出した。
そしてさらにマッチを取り出しそれに着火。
「そーい」
筒を盗賊たちの方へ投げる。
コロコロと筒は転がり盗賊たちの背後、ちょうど洞窟から出た外の辺りに着地した。
刹那。
筒は凄まじい音を立てて爆発した。
間近にいた盗賊たちは爆撃に直撃しボーリングのピンのように吹き飛ばされる。
「さぁ逃げるか」
ダミ子は転がる盗賊たちの屍(?)を冷めた目で見ると後ろで巻き添えで倒れるナマケモノ数匹を拾い残りの住人たちも同じ要領でバケツリレーのように二人でせっせと出口へ運ぶ。
「いろいろ言いたいことは山ほどありますが盗賊たちピクリとも動かないんですけど」
「安心しろ。先程の【ネムクナール】の爆弾版だ。さっきより効き目が強く軽く一日は眠るだろう」
たしかに倒れたナマケモノたちは鼻ちょうちんを浮かべていた。
「だが急いだ方がいい。さっさと退散しよう」
あっけからんとダミ子は言う。
『ZZZ……』
地面に転がる盗賊たちは大イビキをかいて眠っている。
「……ダミ子さんそんな恐ろしいもの持ってたんですね」
「相手が恐ろしいのがいけない」
「さいですか……」
悪びれもなく言う上司にマースはそう返事するしかできなかった。
『のろのろ~』
解放されたナマケモノたちはのらりくらりと一歩を踏み出す。
そして踏み出してはボーッと立ち止まってみたり戻ってみたりする。
「ダッシュしろダッシュ! また盗賊たちに捕まるぞ!」
もあ~……?
優雅に首を傾けるナマケモノたち。この間十二秒。
ダメだこいつら自分たちがピンチだと思っちゃいない。
牢屋が解放されてからもナマケモノたちはカタツムリが這うかのようなまったりした歩調で牢屋を出ていく。
「このままじゃ一匹残らずまた捕まってしまう!」
「もーっ急いで急いで! ファイト頑張って!」
ナマケモノたちの背を押しやっと牢屋がある部屋から出るも、その先の蟻の巣のようなアジトの道中で次々と盗賊たちと鉢合わせする。その度胡椒瓶ネムクナールをふりかけて逃亡。
ちゃんとついてきてるか後ろを振り返ると胡椒瓶ネムクナールの残り香で地面に倒れ伏すナマケモノ数匹がいたので背負って(火事場の馬鹿力だちくしょう)出口へ向かう。
「やった出口だ!」
洞窟に射し込む光へ飛び込む。
「よっしゃ住民救出&アジト脱出成功……って、」
出口には残りの起きている盗賊暫定20人が待ち構えていた。
「よくもやってくれたなァ」
「覚悟できてんだろうなオラ」
「許さねェぞ」
「どこからさばいてやろうか」
「血祭りにしてやるぜ」
「ひゃっはーッ血・血・血ーーッ!!」
まさかの出待ち。
しかも総動員体制。
しかも全員もれなくデンジャーな香り。
「ダミ子さん【ネムクナール】は!?」
「ヤバイ。さっきので消費しまくっちゃった」
胡椒瓶の中身はすっからかんだった。
「これは……戦うパターンか?」
「戦うってどうやって勝つつもりですか盗賊20人相手に! 僕の攻撃魔法じゃナマケモノさんたちごと巻き込んでしまいます!」
マースが後ろでぞろぞろ歩くナマケモノたちを見て叫ぶ。
「だから、こうやって」
ダミ子は肩にかけたショルダーバックから小型の丸い筒を取り出した。
そしてさらにマッチを取り出しそれに着火。
「そーい」
筒を盗賊たちの方へ投げる。
コロコロと筒は転がり盗賊たちの背後、ちょうど洞窟から出た外の辺りに着地した。
刹那。
筒は凄まじい音を立てて爆発した。
間近にいた盗賊たちは爆撃に直撃しボーリングのピンのように吹き飛ばされる。
「さぁ逃げるか」
ダミ子は転がる盗賊たちの屍(?)を冷めた目で見ると後ろで巻き添えで倒れるナマケモノ数匹を拾い残りの住人たちも同じ要領でバケツリレーのように二人でせっせと出口へ運ぶ。
「いろいろ言いたいことは山ほどありますが盗賊たちピクリとも動かないんですけど」
「安心しろ。先程の【ネムクナール】の爆弾版だ。さっきより効き目が強く軽く一日は眠るだろう」
たしかに倒れたナマケモノたちは鼻ちょうちんを浮かべていた。
「だが急いだ方がいい。さっさと退散しよう」
あっけからんとダミ子は言う。
『ZZZ……』
地面に転がる盗賊たちは大イビキをかいて眠っている。
「……ダミ子さんそんな恐ろしいもの持ってたんですね」
「相手が恐ろしいのがいけない」
「さいですか……」
悪びれもなく言う上司にマースはそう返事するしかできなかった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる