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これが『』というならば、
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AIが活躍の場を広げる現代。
学習するAIの進化は歩みを止めず、社会に適応し、ついには芸術や創作などクリエイティブ分野にまで足を踏み入れた。
アイは芸術作品を創るために産み出されたAIロボットだ。
芸術用のAIは作品を創作しやすくするため、限りなく人間に近づけた姿にされている。
アイがAIだと言わなければ誰も彼女を人間じゃないと疑うことはないだろう。
アイは研究所内の一室で本や画像を見て学習する。
見本からインプットした内容を整理し、まとめあげ、筆をとってキャンバスに描く。
アイは次々と絵を制作していった。
その日のアイは桜の絵を描いていた。
絵の具を混ぜ、桜の絵をキャンバスに描いていく。
一人きり、静かな研究室で黙々と桜の幹を塗っていく。
「違う違う。桜の幹や枝ってのは黒に近い色で塗るんだよ。普通の樹木と違って茶色じゃない」
知らない男が後ろに立っていた。
研究所には博士と一部の人間以外は立ち入り禁止だ。関係者は全員白衣を着ている。
この男はTシャツにジーンズ。白衣を着ていない。
明らかに部外者の外見だ。
「貴方は誰ですか。ここは研究室。誰でも入っていい場所ではありません」
「お、普通に喋れるんだ。すげぇな最近のAI。直也の奴凄いもん開発したなー」
ナオヤ……博士の名前を知っている?
「質問に答えてください。貴方は何者ですか。不法侵入者なら今すぐ警報を鳴らし、対処します」
「あーアイ! こいつはいいの! 僕の友達だから」
研究室に博士が入ってきて言った。
「驚かせてごめんねアイ。紹介するね。この男は奏斗。僕の昔からの幼馴染みで気心知れた友人さ」
入ってきたカナトという男は博士の知り合いだった。
どうやら博士がトイレに行ってる間に勝手に先にこの部屋に入ったらしい。
「こいつひょろっとして弱そうだけど、有名な画家でさ、力強い良い絵を描くんだ」
「見た目関係ないだろ」
「こう見えても君が凄い奴なんだって教えてやってるんだよ」
「ふーんそう」
軽口を叩き合う二人。本当に仲良しなんだと知る。
「いやー初めて見たよお絵描きAI。アイだっけ」
「初めて見ました……本物の画家。はい、アイです。そちらはカナトさんでしたね」
「そうですカナトさんです。よろしくね」
お互いに簡易的な感想と自己紹介を述べる。
「あの、そういえば、さっき、桜の幹の色が違うって」
「あーそうそう。惜しい間違いをしてたからつい指摘しちまった。画家だからな、職業柄絵に対してうるさくなっちまうんだ。悪い」
「いえ、もっと教えてください」
「え? なんで」
「AIは間違いも学習します。画力が向上するため、学ぶ必要があります」
カナトがアイの言葉にきょとんとした顔をすると、博士が「そうだ!」と声をあげる。
「せっかくだからアイ、奏斗に絵の描き方教えて貰いなよ。もしかしたらアイの方が奏斗より上手くなっちゃうかも」
「うわーそれは参るな。それじゃ、俺にギリギリ一歩及ばない程度まで教えてやるよ」
「……よろしくお願いします。カナトさん」
「じゃ、今日は幹と枝の塗り直しからだな」
カナトは律儀にほぼ毎日アイに桜の描き方を教えに来た。
枝の分かれ目から花弁ひとつひとつの重なり方、幹の質感の塗り方など、飄々とした態度とは反対に細かく丁寧に教えてくれた。
日を重ねるごとに、キャンバスの上の桜は綺麗に、鮮やかになっていった。
「AIってのは凄ぇな。マジでどんどん吸収しやがる。こりゃ俺を越える日も遠くねぇな」
出来上がった絵を見てカナトは感心と感嘆を混ぜたようなため息を吐く。
「AIの活躍する世の中で、芸術だけは人間様の安泰分野だとあぐらをかいていたが、そうでもないみたいだ。想像力こそが人間の真骨頂だと思ってたのに」
「その通りですよ。感情はAIにありませんから」
咲き誇る桜の花弁を指でなぞりながらアイは言う。
「私は絵を描くことはできます。でもそれは学習することで。完成した絵を見て何も感じることもありません。絵を描いていて何かを感じることもない」
「感情がないから?」
「AIなので」
「想像もしないの」
「AIは人間の想像力を学習能力と置き換えています。だから想像から産まれる感情がないのです」
「それって絵描いてて楽しい?」
「楽しいとも退屈とも感じることないので」
「ふーん」
「貴方が不躾で野暮な質問をする人間だということは分かりました」
なんとなくカナトがこちらを見た時の瞳に憐れみの情が見えた。
自分に感情がなくても相手の感情を理解することはできる。情報として。
「もし奏斗が死んじゃった場合、アイには奏斗の才能を継ぐ後継者になってほしいんだ」
ある日博士がそんなことを言った。
「あいつはいつもヘラヘラフラフラしてるけど本当は繊細で脆くて不安定な奴っていうか、危ういんだよね。存在も心も何もかも。いつ消えてしまってもおかしくないような奴なんだ彼は」
ここ数日カナトは研究所に来なかった。博士いわく具合が悪いそうだ。
「こういうのしょっちゅうだよ昔から」
カナトは学生時代から学校を突然休んだり約束をすっぽかしたりする常習犯だったらしい。
「奏斗は自由人なんだよ基本。自分の思うままに生きる人間でさ。ま、ああいう奴だから並外れた才能が溢れてるんだろうけど。でも僕は恐れてる。彼がいなくなることを。僕は、奏斗の才能をここで終わらせたくない」
「だったら、代役になる私など用意せずに彼を守ればいいじゃないですか。彼が消えてしまわないように」
……親友なのだから。
「友人だから止められないのさ。あいつの好きなように生かしてやりたい」
……やっぱり、人間の感情は理解していてもわからない。
「人間は想像力があっていいですね」
久々に研究室に現れたカナトに向かってアイは言った。
「いいことばかりじゃないよ想像って」
「そうなのですか」
「特に画家なんてのは想像力豊かな人間が多い職種だ。豊かだから素晴らしい世界観を創造できるし、辛い現実から想像で逃れる術を得ている。でも想像で苦しむこともある」
アイの言葉にカナトは穏やかで、でも少し冷たい温度を含んだ声音で返した。
「他人の感じたことも自分のことのように想像してしまう。他人の人生の痛みも憎しみも苦しみも。辛かっただろう、痛かっただろう、悲しかっただろう、と考えては病み、病んでは考える。俺はずっと想像し続けた」
博士が言っていた言葉を思い出した。
今ここに立つ彼はとても不安定で、壊れてしまいそうな儚い空気を纏っていた。
「想像で現実を逃れる。現実を想像で実感する。俺はこうやって生きてきた。想像が俺を破壊した。狂わせた。でもこの生き方を変えるつもりはない」
「……そうですか。大変なんですね人間も」
「そう大変なんです」
「……」
「なあアイ」
「なんですか」
「今度花見にいかない?」
「は……?」
「ちょっとここから行ったところの丘に一本だけ咲いてる桜の樹があるんだ。見にいこうよ」
「ダメです」
「なんで? 空いてるよあそこ。一本しかないから花見客もいないし。それにソメイヨシノだぞ。クローンで増える桜が一本だけ丘に咲いてるのロマン感じない?」
「ダメです。そうではなくて研究所から出るのが禁止されてるんです。私は作品を創るためのAIなので外出許可は取れません」
「そっかあ残念」
「その言い方と表情は本当に残念と思ってない表情です」
「そういうアイこそ残念だと思ってくれないんだろ」
「私はAIですので」
***
桜が満開になる卯月半ば。
桜の絵を百枚完成させた頃だった。
一人きり研究室で出来上がった桜の絵を見ていると、博士が入ってきて静かな声で言った。
「奏斗、死んだよ」
カナトの死因は高所からの転落死だった。
桜を見に行く。丘に咲くソメイヨシノを見に行ったそれきり、彼の人生はそこで幕を綴じた。
誰も彼の死に言及しなかった。
事故死かもしれない、自殺かもしれない。
でもアイは彼がどういう気持ちで最期を感じたのか想像できない。
自分はAIだから。
学習はできても想像ができる人間にはなれない。
でも、ひとつだけ。
「私は桜が嫌いになりました」
一人きりの研究室でアイは桜の絵の前でぽつりと呟く。
ひとつだけ、これが感情というならば、
「きっと私は、貴方が好きで好きでしょうがなかったんでしょうね」
学習するAIの進化は歩みを止めず、社会に適応し、ついには芸術や創作などクリエイティブ分野にまで足を踏み入れた。
アイは芸術作品を創るために産み出されたAIロボットだ。
芸術用のAIは作品を創作しやすくするため、限りなく人間に近づけた姿にされている。
アイがAIだと言わなければ誰も彼女を人間じゃないと疑うことはないだろう。
アイは研究所内の一室で本や画像を見て学習する。
見本からインプットした内容を整理し、まとめあげ、筆をとってキャンバスに描く。
アイは次々と絵を制作していった。
その日のアイは桜の絵を描いていた。
絵の具を混ぜ、桜の絵をキャンバスに描いていく。
一人きり、静かな研究室で黙々と桜の幹を塗っていく。
「違う違う。桜の幹や枝ってのは黒に近い色で塗るんだよ。普通の樹木と違って茶色じゃない」
知らない男が後ろに立っていた。
研究所には博士と一部の人間以外は立ち入り禁止だ。関係者は全員白衣を着ている。
この男はTシャツにジーンズ。白衣を着ていない。
明らかに部外者の外見だ。
「貴方は誰ですか。ここは研究室。誰でも入っていい場所ではありません」
「お、普通に喋れるんだ。すげぇな最近のAI。直也の奴凄いもん開発したなー」
ナオヤ……博士の名前を知っている?
「質問に答えてください。貴方は何者ですか。不法侵入者なら今すぐ警報を鳴らし、対処します」
「あーアイ! こいつはいいの! 僕の友達だから」
研究室に博士が入ってきて言った。
「驚かせてごめんねアイ。紹介するね。この男は奏斗。僕の昔からの幼馴染みで気心知れた友人さ」
入ってきたカナトという男は博士の知り合いだった。
どうやら博士がトイレに行ってる間に勝手に先にこの部屋に入ったらしい。
「こいつひょろっとして弱そうだけど、有名な画家でさ、力強い良い絵を描くんだ」
「見た目関係ないだろ」
「こう見えても君が凄い奴なんだって教えてやってるんだよ」
「ふーんそう」
軽口を叩き合う二人。本当に仲良しなんだと知る。
「いやー初めて見たよお絵描きAI。アイだっけ」
「初めて見ました……本物の画家。はい、アイです。そちらはカナトさんでしたね」
「そうですカナトさんです。よろしくね」
お互いに簡易的な感想と自己紹介を述べる。
「あの、そういえば、さっき、桜の幹の色が違うって」
「あーそうそう。惜しい間違いをしてたからつい指摘しちまった。画家だからな、職業柄絵に対してうるさくなっちまうんだ。悪い」
「いえ、もっと教えてください」
「え? なんで」
「AIは間違いも学習します。画力が向上するため、学ぶ必要があります」
カナトがアイの言葉にきょとんとした顔をすると、博士が「そうだ!」と声をあげる。
「せっかくだからアイ、奏斗に絵の描き方教えて貰いなよ。もしかしたらアイの方が奏斗より上手くなっちゃうかも」
「うわーそれは参るな。それじゃ、俺にギリギリ一歩及ばない程度まで教えてやるよ」
「……よろしくお願いします。カナトさん」
「じゃ、今日は幹と枝の塗り直しからだな」
カナトは律儀にほぼ毎日アイに桜の描き方を教えに来た。
枝の分かれ目から花弁ひとつひとつの重なり方、幹の質感の塗り方など、飄々とした態度とは反対に細かく丁寧に教えてくれた。
日を重ねるごとに、キャンバスの上の桜は綺麗に、鮮やかになっていった。
「AIってのは凄ぇな。マジでどんどん吸収しやがる。こりゃ俺を越える日も遠くねぇな」
出来上がった絵を見てカナトは感心と感嘆を混ぜたようなため息を吐く。
「AIの活躍する世の中で、芸術だけは人間様の安泰分野だとあぐらをかいていたが、そうでもないみたいだ。想像力こそが人間の真骨頂だと思ってたのに」
「その通りですよ。感情はAIにありませんから」
咲き誇る桜の花弁を指でなぞりながらアイは言う。
「私は絵を描くことはできます。でもそれは学習することで。完成した絵を見て何も感じることもありません。絵を描いていて何かを感じることもない」
「感情がないから?」
「AIなので」
「想像もしないの」
「AIは人間の想像力を学習能力と置き換えています。だから想像から産まれる感情がないのです」
「それって絵描いてて楽しい?」
「楽しいとも退屈とも感じることないので」
「ふーん」
「貴方が不躾で野暮な質問をする人間だということは分かりました」
なんとなくカナトがこちらを見た時の瞳に憐れみの情が見えた。
自分に感情がなくても相手の感情を理解することはできる。情報として。
「もし奏斗が死んじゃった場合、アイには奏斗の才能を継ぐ後継者になってほしいんだ」
ある日博士がそんなことを言った。
「あいつはいつもヘラヘラフラフラしてるけど本当は繊細で脆くて不安定な奴っていうか、危ういんだよね。存在も心も何もかも。いつ消えてしまってもおかしくないような奴なんだ彼は」
ここ数日カナトは研究所に来なかった。博士いわく具合が悪いそうだ。
「こういうのしょっちゅうだよ昔から」
カナトは学生時代から学校を突然休んだり約束をすっぽかしたりする常習犯だったらしい。
「奏斗は自由人なんだよ基本。自分の思うままに生きる人間でさ。ま、ああいう奴だから並外れた才能が溢れてるんだろうけど。でも僕は恐れてる。彼がいなくなることを。僕は、奏斗の才能をここで終わらせたくない」
「だったら、代役になる私など用意せずに彼を守ればいいじゃないですか。彼が消えてしまわないように」
……親友なのだから。
「友人だから止められないのさ。あいつの好きなように生かしてやりたい」
……やっぱり、人間の感情は理解していてもわからない。
「人間は想像力があっていいですね」
久々に研究室に現れたカナトに向かってアイは言った。
「いいことばかりじゃないよ想像って」
「そうなのですか」
「特に画家なんてのは想像力豊かな人間が多い職種だ。豊かだから素晴らしい世界観を創造できるし、辛い現実から想像で逃れる術を得ている。でも想像で苦しむこともある」
アイの言葉にカナトは穏やかで、でも少し冷たい温度を含んだ声音で返した。
「他人の感じたことも自分のことのように想像してしまう。他人の人生の痛みも憎しみも苦しみも。辛かっただろう、痛かっただろう、悲しかっただろう、と考えては病み、病んでは考える。俺はずっと想像し続けた」
博士が言っていた言葉を思い出した。
今ここに立つ彼はとても不安定で、壊れてしまいそうな儚い空気を纏っていた。
「想像で現実を逃れる。現実を想像で実感する。俺はこうやって生きてきた。想像が俺を破壊した。狂わせた。でもこの生き方を変えるつもりはない」
「……そうですか。大変なんですね人間も」
「そう大変なんです」
「……」
「なあアイ」
「なんですか」
「今度花見にいかない?」
「は……?」
「ちょっとここから行ったところの丘に一本だけ咲いてる桜の樹があるんだ。見にいこうよ」
「ダメです」
「なんで? 空いてるよあそこ。一本しかないから花見客もいないし。それにソメイヨシノだぞ。クローンで増える桜が一本だけ丘に咲いてるのロマン感じない?」
「ダメです。そうではなくて研究所から出るのが禁止されてるんです。私は作品を創るためのAIなので外出許可は取れません」
「そっかあ残念」
「その言い方と表情は本当に残念と思ってない表情です」
「そういうアイこそ残念だと思ってくれないんだろ」
「私はAIですので」
***
桜が満開になる卯月半ば。
桜の絵を百枚完成させた頃だった。
一人きり研究室で出来上がった桜の絵を見ていると、博士が入ってきて静かな声で言った。
「奏斗、死んだよ」
カナトの死因は高所からの転落死だった。
桜を見に行く。丘に咲くソメイヨシノを見に行ったそれきり、彼の人生はそこで幕を綴じた。
誰も彼の死に言及しなかった。
事故死かもしれない、自殺かもしれない。
でもアイは彼がどういう気持ちで最期を感じたのか想像できない。
自分はAIだから。
学習はできても想像ができる人間にはなれない。
でも、ひとつだけ。
「私は桜が嫌いになりました」
一人きりの研究室でアイは桜の絵の前でぽつりと呟く。
ひとつだけ、これが感情というならば、
「きっと私は、貴方が好きで好きでしょうがなかったんでしょうね」
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